西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

過密大都市の脅威の予測

2013-06-17 | 色々な仮説や疑問
今までは東京、大阪などの過密大都市は、大気汚染、ヒートアイランド(熱島)現象などの「脅威」が言われたが、むしろプラス面(文化享受、先進的医療や福祉)が言われ、例えば定年後は田舎の戸建て住宅へ、よりも大都市のマンションへと思われてきた。

しかし、阪神・淡路大震災や東日本大震災を経て、特に関西、東海地方では、東海、東南海そして南海大震災対応や、又首都直下型大震災対応が必要で、東京、大阪、名古屋などはマイナス面が目立ってくる。高層、超高層建築は大丈夫だろうか。帰宅難民は無事郊外へ帰宅出来るだろうか。

高層、超高層の過密大都市は、大震災の災害の他、密集していることから「インフルエンザ」がまたたく間に蔓延する危険がある。 『動的平衡』の著者・福岡 伸さんが、その本で言っている。また、 『沈まぬ太陽』のモデル・小倉寛太郎さんは「大都市では、エレベーターや通勤・通学電車で男女が体をくっつけざるをえない状況に対応するため、くっつく異性を物体とでも考えないと気が狂う」というように言っている。

つまり過密の大都市は、いずれ自然現象、人為的現象から崩壊するのではないか。まあ「人間圏域」は今後5億年では必然的に消滅する、と地球惑星物理学の松井孝典さん(東大)が言っている。  ま、そこまで視野を広げれば、仕方ないな、と思う。  当面は、中都市、小都市、田舎に回帰することが緊要だ。

「生活環境学原論」より今岡・前学部長の引用より

2013-06-17 | 地域居住学
現・奈良女子大学長の今岡春樹さんが生活環境学部長時代、受験雑誌『蛍雪時代』に寄稿した奈良女子大生活環境学の紹介より

「大事なのは自分自身の生活をきちんとすること

 「炊事、洗濯、掃除、育児・介護、お洒落、買い物、近所づきあい」ができてこそ「自立」である。これは易しいようで難しい。これらを学ぶ家政学が改めて注目されるゆえんだろう。今後は、近所づきあいの中にも「近所の助け合い」が入ってくるだろう。何でも「行政に頼む」という「大きな行政」時代は過ぎているからである。

 これは、本学部の元学部長西村一朗教授のことばです。私たちの学部には、入学した新入生を対象に、家政学・生活環境学とはどんな学問かを紹介する「生活環境学原論」という授業があるのですが、私はその初回の講義で、この言葉を紹介しています。

 「自立」というと、経済的な自立ばかりを強調しがちですが、ほんとうに大事なのは身の回り、つまり自分自身の生活をきちんとすることです。炊事や育児と並んで「近所づきあい」の大切さを説いた西村教授の先見性は、今回の東日本大震災をみれば明らかです。
 近所の人、近くの友人と親しく付き合うことが、日常を楽しく過ごすことの元になり、いざというときは助けになります。そうした人間関係を築くには、日常の生活をきちんとすることが大切で、それを学ぶのが生活環境学なのです。・・・」(『蛍雪時代』2012年7月号より)


不肖・小生の言を引用してもらっている。これは、あちこちで今でも言っている。自分自身の「点検」がてらに・・・。