昨日は、冷たい雨が今にも霙に変わりそうな、本当に寒さが身に沁みる一日だった。
息子自慢はうんざり・・・と受け取られる向きもあるかもしれないが、以下はそれを承知で書くので、スルーされる方は是非そのようにして頂きたい。
昼に珍しく息子からLINEがあった。「あなた宛に荷物送った、今日届くからよろしく」と。「え?何かしら」と応ずると、その後ご丁寧にも「着払いじゃないから安心して」と。
手紙すらもらったことがない彼(いまだ封筒やはがきの書き方もあやふやらしい)から送られてくるという記念すべき初荷である。一体何が起こったのだろうと思いながらも、(もしや・・・)という思いはビンゴだった。
午後の会議が紛糾し、予定時間の倍に伸びた。携帯の電池も切れてしまい、帰宅が遅くなることを夫に連絡出来ないまま、残業となる。
夜の最終お届け時間に配達指定をしているかどうかも不明だけれど、せっかく連絡してきてくれたのに今日受け取れなかったら申し訳ないな・・・と思いつつ帰宅する。すると、私が玄関に入るや、先に帰宅した夫が再配達を頼んだ荷物が到着した。
夫は、私が昼休みに送ったメールも見ていない模様で、「○○(息子の名前)からだよ、お母さん宛。何だろう?」と。とるものもとりあえず2人で早速荷ほどきする。
ベージュのリボンに赤いバッグの包み。リボンには可愛いカードが添えてある。
“結婚記念日おめでとう。この湯呑で2人の時間を大切にしてください。○○”とあった。
そう、1日遅れで銀婚式のお祝いが届いたのだった。
手配日を見ると記念日の当日だ。夫は目をパチクリしている。「あいつ、こんな洒落たことが出来るんだ」と。
なんとなくそうかな、と思ったが、はて、一体何を送ってくれるのだろう、と思っていた。
化粧箱に入った九谷焼の組湯呑である。ころんとした形状で持ちやすそうだし、口あたりもよさそう。金箔が幾重にも掛けられてあり、複雑な色合いを醸している。濃い青系が夫の、少し紫がかった赤系が私の、である。
早速御礼のLINEをする。「残業で受け取れないかと思ったけれど、無事届きました。どうもありがとう」と。すると間髪をいれずに「一応、私の給料から出したのでね、初めて小遣い以外からプレゼント出来ました」と「凄いね。もったいなくて使えないよ」「いや、使ってください。使わなかったらなんのために送ったかわかんないでしょう」と、しばしやりとりが続いた。
秋の終わりからアルバイトを始めている。時給850円というからこれは何時間分にあたるのか。まさか、こんなお祝いが送られてくるなどとはゆめゆめ思わなかった。隣に座っている人は早くもウルウルである。
夫が用意してくれた遅い夕食を終え、湯呑を洗って「せっかく頂いたからこれでお茶を淹れましょうか」と言うと「いや、いいよ、もったいない」と。そして、いそいそと食器棚に鎮座ましましていた徳利とお猪口を吊戸棚に移し、新しい夫婦湯呑を大事そうにしまった。さて、初呑みは今晩か、明日の晩だろうか。
19年前にはまだこの世に生まれてきていなかった息子が、銀婚式祝いを送ってくれる歳になったのだ、そう思うとここまで長く生きてこられて本当に良かった、と素直に思う。
親から見れば(自分が大学生だった頃のことは都合良く忘れているのだけれど)色々心配なことは尽きないし、ツメは甘いし、贅沢を言いだせばキリがない。けれど、とにかくよくもここまで育ってくれた、そして、私たちの息子でいてくれてありがとう、としみじみ感謝する寒い冬の夜の温かな出来ごとである。
息子自慢はうんざり・・・と受け取られる向きもあるかもしれないが、以下はそれを承知で書くので、スルーされる方は是非そのようにして頂きたい。
昼に珍しく息子からLINEがあった。「あなた宛に荷物送った、今日届くからよろしく」と。「え?何かしら」と応ずると、その後ご丁寧にも「着払いじゃないから安心して」と。
手紙すらもらったことがない彼(いまだ封筒やはがきの書き方もあやふやらしい)から送られてくるという記念すべき初荷である。一体何が起こったのだろうと思いながらも、(もしや・・・)という思いはビンゴだった。
午後の会議が紛糾し、予定時間の倍に伸びた。携帯の電池も切れてしまい、帰宅が遅くなることを夫に連絡出来ないまま、残業となる。
夜の最終お届け時間に配達指定をしているかどうかも不明だけれど、せっかく連絡してきてくれたのに今日受け取れなかったら申し訳ないな・・・と思いつつ帰宅する。すると、私が玄関に入るや、先に帰宅した夫が再配達を頼んだ荷物が到着した。
夫は、私が昼休みに送ったメールも見ていない模様で、「○○(息子の名前)からだよ、お母さん宛。何だろう?」と。とるものもとりあえず2人で早速荷ほどきする。
ベージュのリボンに赤いバッグの包み。リボンには可愛いカードが添えてある。
“結婚記念日おめでとう。この湯呑で2人の時間を大切にしてください。○○”とあった。
そう、1日遅れで銀婚式のお祝いが届いたのだった。
手配日を見ると記念日の当日だ。夫は目をパチクリしている。「あいつ、こんな洒落たことが出来るんだ」と。
なんとなくそうかな、と思ったが、はて、一体何を送ってくれるのだろう、と思っていた。
化粧箱に入った九谷焼の組湯呑である。ころんとした形状で持ちやすそうだし、口あたりもよさそう。金箔が幾重にも掛けられてあり、複雑な色合いを醸している。濃い青系が夫の、少し紫がかった赤系が私の、である。
早速御礼のLINEをする。「残業で受け取れないかと思ったけれど、無事届きました。どうもありがとう」と。すると間髪をいれずに「一応、私の給料から出したのでね、初めて小遣い以外からプレゼント出来ました」と「凄いね。もったいなくて使えないよ」「いや、使ってください。使わなかったらなんのために送ったかわかんないでしょう」と、しばしやりとりが続いた。
秋の終わりからアルバイトを始めている。時給850円というからこれは何時間分にあたるのか。まさか、こんなお祝いが送られてくるなどとはゆめゆめ思わなかった。隣に座っている人は早くもウルウルである。
夫が用意してくれた遅い夕食を終え、湯呑を洗って「せっかく頂いたからこれでお茶を淹れましょうか」と言うと「いや、いいよ、もったいない」と。そして、いそいそと食器棚に鎮座ましましていた徳利とお猪口を吊戸棚に移し、新しい夫婦湯呑を大事そうにしまった。さて、初呑みは今晩か、明日の晩だろうか。
19年前にはまだこの世に生まれてきていなかった息子が、銀婚式祝いを送ってくれる歳になったのだ、そう思うとここまで長く生きてこられて本当に良かった、と素直に思う。
親から見れば(自分が大学生だった頃のことは都合良く忘れているのだけれど)色々心配なことは尽きないし、ツメは甘いし、贅沢を言いだせばキリがない。けれど、とにかくよくもここまで育ってくれた、そして、私たちの息子でいてくれてありがとう、としみじみ感謝する寒い冬の夜の温かな出来ごとである。