生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2158 ・健さんの対極にある安倍晋三という人間

2014-11-20 09:41:45 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2158(141120)をお届けします。

・健さんの対極にある安倍晋三という人間

 ぼくは本日11月20日に75歳となり、日本に住み続ける以上、否応なく後期高齢者に区分されることになりました。残りの人生を考えるとき、「この日本はどうなるのだろう」に思いが向きます。

 生き方としては、二つのタイプが頭に浮かびます。一つは、最近亡くなった「健さん」こと高倉健さん。もう一つは日本国の首相のポストに居座り続けようとする安倍晋三という人間です。

 健さんは、本日の朝日新聞社説によると、自らを律し、「自分のためではなく、他人(ひと)のために命を賭ける『男の中の男』」と表現されました。

 「礼節を重んじ、過酷な撮影現場でも、決して楽をしようとはしなかったという」と、健さんの素顔を記しました。その姿勢は、「海外でも、尊敬できる人間像、生き方の美学として受け止められてきた。いま、中国からも、アメリカからも哀惜の言葉が届く」とも。

 「逆境に耐え、自らを律する。そう望んだ母の教えに照らして、恥ずかしくないか。健さんを磨き上げ、輝かせたのは、その自省の深さだったのだろう」と結びました。

 この対極にあるのが、安倍晋三という男です。今回、安倍氏が解散総選挙に踏み切ったのは、自分の総理大臣のポストを少しでも長く続けるための所業です。日本国民の生活を良くする政治を行うためでは、さらさらありません。

 他人(ひと)のためではなく、ひとえに自己保身のためなのです。その自己保身ために700億円におよぶ血税を使う。まったくの無駄遣いです。

 そもそも、消費税の先延ばしについては、誰も反対していません。税金をむしり取りたい財務省の官僚以外、先延ばしに異論をはさむものはいないのです。にもかかわらず、有権者の判断をあおぐ?

 また、安倍という男は、「お国のために生命を捧げた英霊に尊崇のまことを表すのは、国のリーダーとして当然の責務」といいます。しかし、この尊崇の念も、「あるべきリーダー像」の仲間入りするためのお飾り、たんなるファッションに過ぎないと断言できます。

 なぜなら、英霊とされる兵隊たちは、南方の島々で弾薬も食料も尽きた中、軍の上層部からただ、「戦線を維持しろ」と、むなしい命令を出されて、いわば犬死にさせられたのです。そのほんの申し訳が、「英霊の御霊に尊崇の念を」という、お飾りの言葉です。

 安倍という男は、沖縄を含む南方の島々で、いかに凄惨な戦闘、あるいは飢餓状態があったか、全くご存じないかのような所作ふるまいです。もし、知っているなら、国リーダーとしては、尊崇の念を表す前に、犬死にさせられた兵卒たちに、頭を地面にこすりつけて謝罪するところから始めるべきです。

 靖国神社に参拝することは、絞首刑者をも合祀されているA級戦犯にも、尊崇の念をささげることにほかなりません。それはあの戦争を「悪くなかった」とする、歴史修正主義そのものの表明になります。あの戦争から何の教訓も学ばず、またぞろ同じ過ちを繰り返そうとする愚行です。

 ヒロシマの平和公園の碑にあるように、私たちは「過ちは繰り返しませぬ」と誓ったはずです。安倍という男は、その誓いをも楽々と無視する、そして歴史を逆回転させようとする、とんでも付きのおバカさんといえます。

 そんな男がトップに居座る政党に対し、有権者は近く行われる選挙でどんな判断を下すのでしょう。

 


2157 ・時間がなくても新党結成を――「みんな」の民主党への合流を歓迎

2014-11-19 07:49:07 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2157(141119)をお届けします。

・時間がなくても新党結成を――「みんな」の民主党への合流を歓迎

 みんなの党の浅尾慶一郎代表は本日11月19日にも同党を解党し、民主党へ合流するあわただしい動きになってきました。渡辺喜美・前代表らは自民党と連携する方向とか。この動きが野党再編を加速させる誘発剤になってほしいものです。

 生活の党の小沢一郎代表は、一昨日の記者会見で、「野党がまとまり、新党を結成すべきだ。時間はないが、やる気になれば、新党はできる。自民党に対抗する受け皿の勢力となるには、一つの党でなければ認めてもらえない」と述べました。

 以前は、各党がそのままに、方向性で連帯する「オリーブの木」方式を提唱していました。しかし、衆院総選挙を目前にして新たに「新党結成」を打ち出しました。

 日本の政治にいま必要なことは、安倍政権の暴走を止め、国民の真の民意に寄り添う政治の実現です。そのためには、自民党にとって代わることができる勢力の創成が必要です。安倍政権を打倒するための選挙での受け皿が必要です。その受け皿として認知されるには、やはり一つの党でなければならない迫力がない。

 新党でなければならないもう一つの理由は、衆院総選挙は小選挙区のほかに比例代表制があることです。この比例代表制はドント方式だから、一人当たりの得票数の多い順に議席を得るシステムであり、必然的に大きな政党が有利になります。つまり、野党が小党乱立状態のままなら、自民党の前に総崩れになる可能性が高いのです。

 日本の政党は、政権を握る与党は利益が大きいため求心力が働きますが、野党はその”うま味”という接着剤がないため、「オレが正しい、オレが正しい」と互いに言い張る遠心力が強く作用します。しかし、ここは「政権を取る」という強烈な目標を目指して、一致結束すべきです。「小異を残して、大同につく」です。

 民主党は、橋本・維新にも合流を強く働きかけてほしい。生活の党も、自主的に民主党への合流をめざすでしょう。

 公示日の12月2日まで、2週間足らず。ことは急ぎます。しかし、2週間あれば、充分態勢を整え、選挙は戦える。大同は、消費増税凍結、脱原発、特定秘密保護法の廃止など。こまかいところは、政権をとってからやいのやいのとやればいい。ともかく、安倍政権の暴走にストップをかけることがなによりも優先されるべきではないでしょうか。

 「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」の高倉健さんが83歳で亡くなりました。健さんは、庶民のささやかな幸せを求める男をこの映画で演じ、多くの人の共感を得ました。政治の根底には、この庶民の幸せを求める心が必要です。決して、株高に浮かれるような金権政治ではありませんよね。

 ささやかな庶民の幸せを実現できる政治勢力を盛り立てるための総選挙にしたいものです。

 


2156 ・日本を法的に「属国」にしている安保法体系

2014-11-18 10:04:36 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2156(141117)をお届けします。

・日本を法的に「属国」にしている安保法体系

 沖縄に新しい知事が誕生し、本当に辺野古基地建設を阻止する手を打つか、さっそく重要な局面に注目が集まっています。もし、辺野古をストップできれば、それは日本をがんじがらめにしている安保体制への大きな一撃になるはずです。

 辺野古推進の仲井間知事をひきずりおろすことができたことは、沖縄県民の底力を示すとともに、対米従属路線を取る安倍政権への大打撃になりました。安倍政権の葬送行進曲の始まりといってもいいかもしれないと思います。

 最近、非常に高く評価されている本があります。

 そのあとがきに、「琉歌」(りゅうか)と呼ばれる沖縄の古い歌の形にのせた次のような歌が紹介されていました。

    花ゆうしゃぎゆん           (花を捧げます)

    人(ふいとぅ)知らぬ魂        (人知れず亡くなっていった多くの人の魂に) 

    戦(いくさ)ねいらぬ世(ゆ)ゆ    (戦争のない世を)

    肝(ちむ)に願(にが)てぃ      (心から願って)

 これは、平成天皇の明仁さんが皇太子のころの1975年(昭和50年)に、美智子さんとともに沖縄を訪問した時に詠んだ歌です。戦時中に多くの犠牲者を出し、戦後も苦難の道を歩んだ沖縄の人々の魂をなぐさめるため、長い時間をかけて琉歌の形式を学び、詠んだのだそうです。

 この本のなかで著者は、昭和天皇がいかに日本をアメリカに売り渡したかをきちんと書いています。とくに、マッカーサーにだけでなく、二度目にはマッカーサーを飛び越えてダレスに売り渡したことも記しています。日本の共産化を恐れ、それを防ぐための行動だった。

 その後は、最高裁長官の田中耕太郎という男が、砂川裁判の判決の中で、「高度な政治的問題については最高裁は判断しない」という結論を出し、日本の憲法が安保条約の大きな問題には判断停止する前例を開きました。これによって、事実上、安保条約が日本国憲法の上位に位置することになった、と指摘。

 現在の日本を支配する安保体制が機能する装置としての「日米合同委員会」にも触れています。日本合同委員会は、月2回、定期的に開かれます。合同委の下には30近い分科会があり、その中には気象分科会、電波分科会などまであります。

 日本の大きな方向性については、ホワイトハウスを通じ、また内容のレベルに応じて国務長官や国防長官、あるいは駐日米大使を通じて流されてくるほか、日常的には合同委の定期会議で伝達されるのです。

 その結果、「基地」と「原発」から脱することができない仕組みになっていると指摘しています。

 著者は、自分はこうした問題については「素人」だったといい、しかし、「なぜ基地と原発が止められないのか」という疑問を追いかけているうちに、この本を書く気になったのだそうです。日本を法的に「属国」にしている安保法体系がよく理解できる本です。最近になくエキサイティングな内容に富んでいます。

 本のタイトルは、「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」、著者は矢部宏治氏、出版社は集英社です。一読をお勧めします。

 


2155 ・「辺野古はもうあきらめなさい。安倍さん」――民意は明らかではないですか

2014-11-17 04:57:39 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2155(141117)をお届けします。

・「往生際が悪いよ、安倍さん。辺野古はもうあきらめなさい」――沖縄県民の民意は明らかではないですか

 「普天間移設は国外、もしくは県外」を掲げた翁長雄志(おなが・たけし)氏が圧勝した沖縄県知事選。この圧勝が示したのは、「辺野古には絶対に新しい基地を造らせない」という沖縄県民の強い意志でした。

 ところが、安倍政権はこの選挙結果を受けても、なお「辺野古での基地建設を進める」と、言い張っています。民主主義を無視する、あるいは破壊する安倍政権の面目躍如といったところです。

 今回の結果を、マスメディアはどう評価したのでしょうか。

 朝日新聞の本日11月17日朝刊の社説は、「辺野古移設は白紙に戻せ」と、白紙撤回を求める見出しでした。これに対し、読売新聞の見出しは、「辺野古移設を停滞させるな」と、辺野古推進を主張するものでした。

 時の政権が民意に反することは、よくあることです。ある特定の勢力の利権や利得を強行実現しようとするからです。

 しかし、マスメディアというものは、そのよって立つ原点が「民主主義」にあるはずです。そうでなければ、ある勢力の広報紙にすぎなくなってしまいます。

 読売は、「新知事に慎重な対応を求めたい」と、菅官房長官の言いたいことそのままを社説としました。さらに辺野古建設が遅れると、「普天間の固定化を招くゾ」「3000億円台の沖縄振興予算も振り出しに戻りかねないゾ」と、政権の脅しそのままです。

 おせっかいなのは、翁長氏が、辺野古の埋め立て承認の取り消しや撤回を示唆したことについても、「法的に瑕疵(かし)のない承認の取り消しなどは困難だ」と、”教えてやる”態度です。

 社説の結びは、「政府・与党は、翁長氏の出方を見つつ、辺野古移設の作業を着実に進めることが肝要である」としました。この社説には、沖縄の有権者が示した民主主義的な民意に配慮する論説は一行もありません。

 徹頭徹尾、民意を無視した論説です。これは、ファシズムの論説といえるものです。バカバカしくて言葉もありません。まさに噴飯ものとでも申しましょうか。

 朝日は、「『沖縄に寄り添う』と繰り返してきた安倍政権である。辺野古への移設計画は白紙に戻すしかない」と、指摘しました。

 辺野古地域をどう活用するかは、「自己決定権」の問題でもある。「自分たちが暮らす土地や海、空をどう使うのか、決める権利は本来、我々にこそある」と、県民の思いをきちんと受け止めています。

 「明白になった沖縄の民意をないがしろにすれば、本土との亀裂はさらに深まる。地元の理解を失って、安定した安全保障政策が成り立つはずもない」と、警鐘をも鳴らしています。

 「往生際が悪いよ、安倍さん。辺野古はもうあきらめなさい」と、声を上げましょう。そして、来る総選挙でも思い知らせてやりましょう。

 


2154 ・「民主主義よりカネ」でいいのでしょうか

2014-11-16 09:59:19 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2144(141116)をお届けします。

・「民主主義よりカネ」でいいのでしょうか

 安倍という男が解散・総選挙を打つほかなくなり、12月選挙を確定させられる週になりました。今回の総選挙は、安倍という男のペースで進んでいるように見えます。

 しかし、そうでしょうか。今回の選挙は、安倍氏が「総選挙に逃げ込まざるを得なかった」というのが真相といえます。安倍なる男が「選挙は楽勝」と気楽に構え、ホイホイ・ムードに浸っていると、えらい目に遭うのではないでしょうか。また、えらい目に遭わせる選挙にしたいものです。

 安倍氏は、消費税増税問題で決断すると繰り返し言明しておきながら、結局決断できなくなったため、それをごまかすために総選挙という時間稼ぎに逃げ込まざるを得ませんでした。安倍という男がキャッチフレーズにしている「決める政治」なるものが、いかにいい加減なものであるかを露呈した結果の選挙でもあります。

 そして、安倍氏の政治の本質は、「カネもうけ第一主義」です。金権・拝金主義です。「デフレからの脱却」を錦の御旗に、「成長戦略、3本の矢、金融緩和、財政出動、経済特区」などの言葉を撒き散らしてきましたが、これらはすべて「カネもうけ」が本質です。

 それも、「恵まれない者から巻き上げ、持てる者を優遇する」というように、まことに偏ったやり方が主流になっています。そもそも消費税を上げて得た財源は、本来の社会福祉に回すという約束はごくわずか名目だけで、その財源の多くは「法人税減税」をはじめとする持てる者たちで山分けする方式になっています。

 そうした荒っぽい政治を、多数をフルに使ったゴリ押しで進めてきました。集団的自衛権や特定秘密保護法も、議論はそこそこに「採決、採決」で押し通してきました。とても、民主主義の体をなしていません。

 安倍流の政治は、別の見方をすれば、「株式会社方式」といえます。日本という国家を、まるで株式会社のようにコントロールしています。株式会社では、社長というトップの意向に従わせるシステムです。決断の速い上意下達方式です。そこでは、議論を尽くす民主主義は邪魔なのです。

 安倍流政治は、「白ネコであれ、黒ネコであれ、カネ儲けするネコはいいネコだ」なのです。言うことを聞かないヤツは、どんなに正論を主張していても、排除する。陰謀で引っかけてでも、叩き潰す。

 沖縄の辺野古米軍基地建設も、強引にカネと力で進めようとしています。原発も、地元住民をカネで釣り、ごまかした「安全神話」をばらまいて押し通そうとしています。

 そうしたやり口は、海外の首脳から見透かされ、さげすまれています。どの国も経済が大事ですから、世界第三の経済大国の首脳となればそこそこの付き合いはするでしょう。

 しかし、そのハラのうちでは、「変わったナショナリスト」と、軽蔑の眼で見られています。歴史認識で共通認識を持つことができないヤツという評価です。別に外国からどう評価されようと構わないのですが、それが日本国民の不利益につながるなら、つまり国益を損なうなら、改めさせなければなりませんよね。

 こんな文章があります。「改めて念押ししておきたいのだが、国民国家の本質は『成長すること』ではない。あらゆる手立てを尽くして、文字通り『石にしがみついてでも』生き延びることである。経済成長どころか、国土が焦土と化しても、国家機構が瓦解しても、国富をあらかた失っても、人口が激減しても、それでも国民国家は生き延びようとする。それが国民国家の本質である。国民国家は『何があっても生き延びる』ために制度設計されている」

 「『何があっても生き延びる』ことができるように、人々はさまざまの制度的な工夫を凝らしてきたのである。民主制はそのような『工夫』のひとつである」と、民主主義制度を評価しています。これは内田樹氏らの「街場の憂国会議」という本の中の内田氏の持論です。

 来年は、「第2次世界大戦終了から70年」です。これは、「ファシズム終了70年」でもあります。しかし、日本では、民主主義が息たえだえになり、代わって安倍流ファシズムが強まっています。

 これにストップをかけられるのか、今回の選挙は「日本の民主主義の先行き」を占う選挙でもあります。