お早うございます。
生き生き箕面通信2142(141104)をお届けします。
・日本は「マイナス成長時代」へのコースに進んでいます
政府の諮問機関が検討した結果、「日本は2040年代からマイナス成長に陥る」という見通しが強まったそうです。残された時間は26年ほど。準備期間を計算に入れると、6年後には本格的な手を打っていなければならないそうです。
これは経済諮問会議(議長・安部首相)の有識者会議「選択する未来」委員会が、人口減少と超高齢化への対策をまとめた最終報告書の原案です。最終報告書は今月中旬に正式発表される段取りです。読売新聞がスクープの形で、昨日11月3日の朝刊一面トップで伝えました。
それによると、「現状のまま、出生率が回復せず、働く人の生産効率も高まらなければ、2040年代から日本経済がマイナス成長に陥ると試算し、人口減対策の必要性を提言している」としています。
6面に解説記事を掲載しましたが、そこでは「(さまざまな)対策が成功して人口減に歯止めがかかっても、働き手が増えるには10年以上の年月がかかる。『20年代初めまでの対応が勝負』と報告書では強調するが、実際、残された時間は少ない」と、”時間切れ”に警鐘を鳴らしています。
対策はあるのです。最終報告書でも、「人口減対策では、出産や子育てにかかる給付額の倍増のほか、教育資金贈与の非課税枠を現在の最大1500万円から拡充することを求める。若年層の人生設計の支援、男性の長時間労働の見直しなどを通じて、家庭と仕事の両立を提言する」そうです。
問題は、政治です。今の国会でなんとか成立させようとしている派遣労働者改定案は、「一生派遣、一生低賃金」を固定化することにつながるものです。
ただでさえ、「結婚できない。たとえ結婚しても、子どもを産み、育てる余裕がない」と、多くの若い人がくるしんでいます。それに追い打ちをかける派遣法の改定。
こうした若い人いじjめの政策が今後も続いていくのは間違いないといえます。今の経営者たちには、働くものを「いかに安くこきつかうか」が、生産性を上げる最大の知恵のようだからです。
そして、安倍政権は、そうした経営者たちの集まりである経団連から多額の政治資金を得ており、有力スポンサーの要望する労働政策を実行に移す構造となっています。
もちろん、技術革新(イノベーション)による生産性の向上もはかるでしょう。しかし、その結果現れる世界は、かつてチャップリンが演じた「モダンタイムス」のような非人間的な風景になると想像できます。
いまの安倍政権、あるいは自民党のだれが政権の座についても、日本が衰退の道をたどることは間違いないといえるのではないでしょうか。自民党には、日本に暮らす一般の人々を幸せにしようとする哲学がありません。それでも、有権者を洗脳し、たぶらかして、政権を握っています。
私たちには、「経済成長至上主義」の政治からの転換が求められています。世界にはそれほど成長しなくても、トップレベルの豊かさを実現している国がいくつもあります。
一人あたりのGDPが1位のルクセンブルグをはじめとする北欧の国々。GDPは低くても、ブータンのようにGNH、つまりグロス・ナショナル・ハッピネスが上位の国々もあります。
日本の現在は、あまりにもアメリカ追随すぎます。アメリカの市場原理主義に追随し、「1億総中流」と世界からうらやましがられた”豊かな社会”を壊してきました。TPP(環太平洋経済連携協定)などを結んで、さらに日本を壊そうとしています。
私たち日本人は、人口が少なくても、それなりに「心豊かに暮らす社会」を実現していました。私たちは、超高齢化が進んでも、それなり豊かに暮らす術を磨く努力をしましょう。
地球はいずれにしても、膨れ上がる人口で行き詰ります。縮小社会への転換を迫られます。それに先んじて、私たち日本は、縮小社会の世界のモデルを作り上げましょう。