生き生き箕面通信

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1803 ・本当は重罪の読売新聞

2013-11-29 07:35:23 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1803(131129)をお届けします。

・本当は重罪の読売新聞

 こんな社説を平気で掲載する神経に、まず驚きました。読売新聞の本日11月29日の社説です。タイトルは「選挙無効判決は乱暴に過ぎる」でした。

 書き出しは、「国会の裁量権に踏み込んだ独りよがりの判決と言わざるを得ない」と、判決内容を”独りよがり”と決めつけました。ご丁寧に、「最高裁には現実的な判決が求められる」と、最高裁で「この判決をひっくり返せ」と勧告する内容でした。社説の方が、むしろ「乱暴に過ぎる」といえるのではないでしょうか。

 他方、朝日新聞の社説は、見出しが「当然の責務を果たせ」と、判決を支持したうえ、国会を叱咤激励する内容でした。文中では、「もっともな判決である」と、片野悟好(のりよし)裁判長の判決を高く評価しました。続けて、「国会は、来年の最高裁の判断を待つことなく、当然の責務である格差の是正に腰を上げなければならない」と、国会議員の機能不全を厳しく指弾しました。

 最高裁は09年の判決で、すでに「抜本的な制度改革」を促していたのです。ところが国会は、それから3年9か月もの間、ああでもない、こうでもないと実りのない言い合いを繰り返すだけ。世論向けに、「議論はしていますよ」と、ハイ、ポーズ。そして、結論を出す能力がないことを露呈するぶざまさを見せつけてくれました。

 「そもそも当の参院がつくった改革協議会の委員会も8年前、現行制度を続ける限り、格差を1対4以内に抑えるのは難しい旨を報告していた」と、朝日社説は指摘しています。

 問題の今年7月に行われた参院選は、1票の格差が最大4.77倍もありました。つまり、1票の価値が、4分の1以下しかない有権者がいることを8年も前から承知の上で、平然と”無効”選挙が行われたのです。法の下の平等を定めた憲法に違反していることは明々白々ではありませんか。

 国会が自らの選挙制度を改革する能力がないことが明らかになったのだから、それなら「第三者機関」を設置して知恵を集めればいい。民主主義にもとづく政治を実現するうえで、衆院にはどんな役割を持たせ、参院にはそれとは違うどんな役割を持たせるのか、決めればいいだけの話ではありませんか。それが難しいのなら、日本人は民主主義を運用する能力がないことを示すことになるだけです。

 それは悔しいではありませんか。今回のこの機会をとらえて、私たちの民主主義を鍛え直しましょう。その鍛え方の中には、メディアを判別する能力も含まれます。

 いまやNHKも、安倍首相の息のかかった”お友達”に全面的に支配されようとしています。そして、読売新聞はもともと体制寄りであり、最近はむき出しの翼賛広報紙ぶりでした。敗戦後の読売中興の祖とされる正力松太郎氏自体が、アメリカの諜報機関・CIAの代理人としてコード・ネームまで持っていたことは、つとに知れわたっています。CIAの支援を受けて、民間テレビ放送の第1号免許を得、「日本放送テレビ網」(一般には現在の日本テレビ、その後大阪では読売テレビ)を設立することができました。

 読売は、戦後政治史の中で、節目節目にマスメディアとして体制寄りの翼賛広報紙の役割を一貫して担ってきました。つまり、読者の世論操作の機関として重要な役割を果たしてきたのです。決して、読売自身が宣伝するような「公正・中立」はありませんでした。

 私たちにとってメディアの論調を識別する能力、メディア・リテラシーがますます重要になっています。メディア・リテラシーを高めることが、メディアなお質を高めることになります。それが日本の民主主義を鍛え直す有力な手段でもあるといえます。メディアを鍛える最期の手段は、テレビの視聴料の不払い、当該新聞の購読ストップがあります。