生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信662 ・検察ファシズムを許してきた新聞・テレビの大罪

2010-09-28 06:29:44 | 日記
おはようございます。39歳のクルム伊達がシャラポワを破りましたね。なんていい笑顔!
生き生き箕面通信662(100928)をお届けします。

・検察ファシズムを許してきた新聞・テレビの大罪

 「2011年には新聞、テレビが消滅し始める」という内容の新書版「2011年新聞・テレビ消滅」(文春新書)を毎日新聞の元記者が、1年ほど前に出しました。

 プロローグでこう書いています。「マスメディアがものすごい勢いで衰退しはじめている。新聞を読む人は年々激しい勢いで減り、雑誌は休刊のオンパレードだ」と。

 「アメリカでは2008年、多くの新聞が倒れ、多くの街から伝統ある地方紙が消え、『新聞消滅元年』となった。いままでもそうであったように、アメリカのメディア業界で起きたことはつねに3年後に日本でも起きる」という見立てです。

 そして、「インターネットが唯一の”全国紙”になる」とも。要するに、グーグルなどに広告収入を奪われ、新聞もテレビも衰退の運命というのです。事実、すでに経営的には新聞もテレビも大変苦しい状況に追い込まれています。

 しかし、ぼくはそれ以上に「新聞・テレビの劣化」自体が、より根本的な原因だと思っています。新聞テレビのジャーナリズム精神の劣化は、最近とくにひどくなっています。テレビは、どのチャンネルでもお笑い芸人がのさばっています。

 検察批判にしても、いまだに腰が引けています。たとえば今朝の読売は「解説面」(15面)をほぼ全頁割いて「検事証拠改ざん事件」を取り上げましたが、中身は「特捜部のチェックがないのは危うい」とか「筋読み捜査には問題が多い」といった抽象的な指摘をする程度で、捜査の全面可視化などの具体的な改善策には、ついに言及していません。もちろん、「特捜不要論」などはどこを探しても見当たらない。

 特捜の「権威」を必要以上に膨張させてきたのは、新聞と裁判所です。裁判所も「検察調書至上主義」で検察寄りの判決を下してきたから、日本ではいったん起訴されると99.9%と独裁国家並みの有罪率となってきました。他の先進国では、だいたい70%程度です。

 検事の「罪を認めないなら、お前の親族の脱税を調べるぞ」「子どもも住めないようにしてやる」などのおどし文句は日常茶飯事。だから、これまでもたくさんの冤罪がそのままにされてきました。今回の証拠改ざん事件をきっかけに、「わたしもウソの供述を取られた」という訴えが出てくるはずです。

 判決が確定した過去の事件でも、再検証が必要です。新聞はそこに光をあてるでしょうか。

 ぼくは何度も繰り返してきたように、新聞が好きです。毎朝、新聞を楽しみにしており、休刊日などは肩すかしをくったような気分で落ち着きません。それだけに「新聞の消滅」は生きがいを奪われるほどの切実さを感じます。緊張感を感じさせるジャーナリズムこそが、社会を健全に維持する基礎と信じるだけに、ジャーナリズム精神の発揮を望むばかりです。