生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信652 ・中国が菅政権の”実力”を試しています

2010-09-18 06:56:44 | 日記
おはようございます。「尖閣が菅政権をノックする」(本日のよみうり時事川柳より)
生き生き箕面通信652(100918)をお届けします。

・中国が菅政権の”実力”を試しています

 日本は、菅首相が”小沢つぶし”にうつつを抜かしているすきを狙って、中国が尖閣諸島でち密な戦略を展開し始めました。まず、漁船のレベルで”事を起こし”、どさくさにまぎれてガス田の新たな掘削を既成事実化し、いずれ尖閣諸島を「領土問題」に”格上げ”する戦略です。

 奇しくも今日は、満州事変勃発のきっかけとなった「柳条湖事件」を日本側が起こした日です。79年前の昭和6年(1931)に関東軍が陰謀を画策し具体的には満鉄線を爆破、「中国・張学良軍の攻撃である」と発表したのでした。

 「昭和史」の著者、半藤一利氏によると、「昭和天皇は中国での戦線拡大を止めようとし、時の南次郎・陸軍大臣(大将)を呼んで叱りつけ、『不拡大』を徹底させるように言明した」のですが、結局は関東軍がすでに仕掛けていた爆薬を爆発させ、これをきっかけに中国軍を攻撃するという暴走を抑えることはできませんでした。

 当時の新聞はそれまではまだ冷静さを保っていたのですが、柳条湖事件をきっかけに一夜でコロッと変わり、朝日をはじめそろって、「正当な権益の擁護の戦い」と関東軍を擁護にまわりました。日本はその後、2・26事件、日中戦争、真珠湾、太平洋戦争へと坂道を転げるように突っ込んでいったのでした。

 本日の読売朝刊は、中国国内の各地で計画されている「柳条湖事件に抗議する9・18反日デモ」を大きく取り上げています。日本ではほとんど忘れ去られた事件ですが、中国ではいまも「生きた歴史」です。それが、尖閣と結び付き、大衆の反日感情があおられているようです。

 前原・新外相はかねてから対中国強硬派で知られ、今回も「しかるべき措置をとる」と、言明しています。中国はさらに日本側の対応を試してくるでしょう。中国は長い時間をかけても「尖閣を中国領土とする」戦略で動いてきています。

 すでに、1万人の訪日旅行客をキャンセルしていきましたが、今後はさらに、レアメタルの対日輸出の大幅削減をはじめ、さまざまな形で攻撃してくることが予想されます。

 日米同盟の関係にあるアメリカは、せいぜい口先介入程度でお茶を濁すでしょう。中国の本格進出にどこまで本気で対抗するか。

 日本は事を大きくしないように注意を払いながら、必要に応じて国際的な場で紛争解決に努められるか、日本外交の実力が世界から見られています。