生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信645 ・少なくとも取り調べの可視化が不可欠

2010-09-11 06:59:29 | 日記
おはようございます。村木厚子・元局長の無罪判決に対する新聞の社説を点検してみます。
生き生き箕面通信645(100911)をお届けします。

・少なくとも取り調べの可視化が不可欠

 検察の言い訳できない完敗でした。大阪地裁の判決は、厚労省の村木・元局長に対する検察の構図をことごとく否定、無罪を言い渡しました。検察の冤罪、あるいは「検察の犯罪」が天下にさらされたのです。

 いい加減な見立て、ずさんな捜査。検察の劣化もここに極まれりという情けない結果でした。

 この結果に対する各紙の社説は、読売が「検察はずさん捜査を検証せよ」の見出しで検察を批判し、結論としては「捜査を再検討し、若手検事の指導も含め、組織全体の見直しが急務である」と、きわめて平板な内容にとどまりました。

 朝日は「特捜検察による冤罪だ」と、まず見出しで検察を”告発”しています。そのうえで、「特捜部に摘発された被告らが『意に反して調書を取られた』と公判で訴えるケースは少なくない」と、検察が罪をでっち上げる構造を指摘しました。その対策としては、「弁護士や学識経験者も加えた第三者委員会をつくって検証し、取り調べの可視化などの対策を打つべきだ」と、具体的に提案しています。

 さらに、「それとともに報道する側も、より客観的で冷静なあり方を考えたい」と、恥ずかしげにおずおずと自己批判も付け加えました。事件当初、朝日を含め新聞、テレビは、「現役局長の犯罪」を、これでもかという勢いで書きまくった反省です。

 毎日は、「検察捜査の徹底検証を」の見出しで、最もまともな社説を掲載しました。捜査のあり方では「捜査の透明性を確保するうえで取り調べの全過程を録音・録画する可視化の実現が急務である」と主張。続けて「千葉法相が可視化の事件を限定して法制化する方針を示しているが、限定することが妥当なのか、幅広い論議が必要だろう」と、行き届いた言及をしています。

 毎日の社説は、長期間拘留の非についても指摘、村木さんの「名誉回復を図るべきだ」とも言及しました。読・朝・毎の三紙比較では、毎日のジャーナリズム精神が断然光りました。