カルテ番号 ろ・1(13)
少し頭がぼ~としている。
院長はそんな蠟山辰雄に言った。
「気功の後、眠かったり、だるかったりします。
これは身体がまだ身体を整えようとしているからです。
一応、約束の1時間が経ちました」
そう言われても、頭が働かない。
「あの~、もう1時間いいですか?
今度は相談事で話を聞いて欲しいのですが」
「もちろん、かまいません」
そしてマットからテーブルに移った。
蠟山辰雄はそう言ってしまってから、不思議な気持ちになった。
相談事などしたいと思っていたわけではない。
なのに、何故そんな事を言ったのだろう。
自分であって、自分でない自分がいる。
今までの蠟山辰雄でない、自分がいる。
そして、その自分の方が素直なようだと思った。
思えば、ここに飛び込んだのも、もう一人の自分だったと思える。
もしかしたら、本当の自分が、やっと出てきたのかもしれない。
少し、気持ちがドキドキと喜んでいるような気もする。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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