カルテ番号 お・11(9)
「大前提があります」
陽水の話は跳び跳びで続けている。
丁寧ではない。前の言葉が理解できないまま、少し跳ばして次の言葉になる。
「人は自由に生きていいのだと思っています。もちろん最低限の律がありますが」
「法律ですか?」
「法律はその時の為政者や権力を握っている人が勝手に作ったものです」
大空晴美は病の話は何処に行ったのかと思った。
この人、少し変なのかもしれない。
「生命ある者としての律ですね。それは生命維持以外で相手の生きる自由を侵さないということでしょう。それ以外は自由に生きていいのですよ」
自由に勝手に生きられるわけがない。
「社会的な法律やルールやマナーがあるじゃないですか」
「ありますねぇ。メンドウだけど」
陽水はまた静かに笑った。
「人の作った法律は、適度に従わないとメンドウが起こります。だけどそれを含めて自由に生きていいのです」
大空晴美は、わけがわからなくなった話よりも、今の病からの脱却方法が欲しいのだ。
「それとこの病が関係しているというわけですか?」
「私の話は晴美さんの病についての独善解釈だと言ったはずです」
実に、不親切な話し方だ。さっぱり要領がつかめない。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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