「風間陽水の依頼簿（カルテ）・847」

カルテ番号　あ・28　８度目（15）

必ず起こる大地震。
これは確定事項なのだ。
地震学者でなくても、地質学者や歴史学者でなくても知っている事柄だ。
更にいえば、政治家も官僚も知っている。
財界人は当然対策をしている。
誰も彼も知っているのに、知ら無い振りをしている。
一日伸ばしに、遅々として進まない対策。

一応、係われる事はした。
だから愛田恵子は海外に出る。
分相応の生物としての役割をした。
それ以上は、押し付けない。
生物は、基本的に自主で生きていく。
知っていて、巻き込まれるのも、その人の生物としての権利だ。
知り合いでも、知らない相手でも、その人の選択になる。

同じ地球にいる。
同じ国にいる。
同じ民族でいる。
同じ生物でいる。
だから、交わる。
交わり、係わるが、分をわきまえる。
淡交如水。

（登場する人物・組織・その他はフィックションです）

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