伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
 伊勢の山々から志摩の海までの、自然史スポット&とっておき情報など…。
  感性の趣くままに-。

五十鈴川界隈の散策、あれこれ …。

2012年09月12日 | 伊勢の自然と風物
Jrtekkyou


 九月に入って、久しぶりの上天気である。早朝の秋めいたまぶしい陽射しは、心地よい秋の風とともに、思わずして外出を誘う・・・。



 昼前になっても、快晴そのものなので、近くの五十鈴川に出向くことにした。宇治橋より上流は、伊勢神宮の宮域なので、今日はその下流の川原に行った。
 浦田橋付近の河川敷の駐車場が有料化されてからは、その下の広々としたIsuzugawakawara
川原で遊ぶ人々の姿がめっきり少なくなった感じである。以前なら、朝早く車に犬を載せて遊ばせに来ていたり、親子でキャッチボールをしていたり、ゴルフの練習さえしていたものだ。又、豪雨による出水の引いた後など、流木を拾う地元民も何人かみえた。

 五十鈴公園に隣接する河川敷の駐車場も、平日なのでガラガラである。さっそく中村町に渡る御側橋(おそばはし)の土手下に車を止めて、川原に下りた。どうしても、川原を歩くと転石に目がゆく。石マニアゆえの性分なのである。川面を渡るかすかな微風が爽快ではあるが、衰えを知らない残暑の陽射しは、夏の日のままである。ついつい石を探す・・・。


 五十鈴川は、神路山や島路山の源流からV字谷の河谷が形成され、上流域は西南日本外帯地質区の各地層の走向を横切るように、渓流や早瀬となって流れ、宇治橋付近で川床が平坦化し、各所に小広い川原を形成しているので、岩石の種類は豊富である。それ故に、いろんなAsamaishi_3
鉱物も見つかるのだ。30分ほど遊んで、手にした石は五つ六つ・・・。  Siro_chert_4

 茸のように水食を受けた掌大の「朝熊石」(姿石)、白色チャートの晶腺(小穴)にキラキラと輝くミニ水晶。変質チャートの表面等に層状脈を成す赤鉄鉱、きれいなピラミッド型の風食小礫や三稜石、そしてYの字形の神足石・・・。


Hematite_3


Tenseki

 


         

 次に、楠部町に入り、落成式を待つばかりの、架け替え工事の終わった新しい「五十鈴橋」を見ながら、鹿海町の堀割橋に行った。川の両サイドの氾濫原に広がる田んぼには、一面に黄金色の稲穂がなびき、一角で稲刈りが行われていた。



 Horiwaribashi_2


 この橋を渡った左手の方向、右岸のすぐ先に「鏡宮」(かがみのみや)がある。ここは、Kibanoato_2
かつての木場(内宮造営貯木場)の跡(川曳き用のお木をあずかってKagaminomiya
いた所)でもあり、そばに、その事を記した立札が立っている。初秋の日和に誘われて、写真を撮った。今日は全くの写真日和である。


 


Siwaino_kidouato




 最後に、汐合橋付近の市電の軌道跡に行った。昭和30年代までは、伊勢の市街地から遥か先の内宮前と、当地二見町に向かって、路面電車の軌道が延びていた。その軌道跡が今もはっきりと残存しているのは、ここぐらいであろう。当時の名所・名物だった「汐合の鉄橋」の橋桁も、その先の川の中にしっかりと残っている。
Kidouato
僅か数十メートルであるが、軌道跡の砂利道の両サイドには、桜の木々が、さながら並木道となってアーケードを作り、木影を映しながら木漏れ日が降り注ぐ。ふと耳を傾けると、夏を惜しむかのように、何匹ものアブラゼミが盛んに鳴いている。
 少し先には、JR参宮線の昔ながらの鉄橋が見渡せる。もし、今もSLが走っていれば、見事な風景となるに違いない。



 散策のラストは、このすぐ左手前方(五十鈴川の右岸)にある、こんもりとした林の中に見えている赤い鳥居の神社への参拝となった。「姫宮稲荷大明神」の裏門である。デジカメを手にし、防波堤隣接の側溝沿いに細道を進み、神社に参拝した。




Himemiyainari




 誰もいない林間に注ぐ陽射しだけが、お稲荷さんのお堂をまぶしく照らす。お賽銭はいつもの通り「45円」である。始終はご縁がないのだけれど、習慣になっているのだ。鈴を鳴らして拍手を打ち、拝礼し、左右の本尊のお使いさんの狐の石像にも手を合わせる。
 帰りは、幾重にも鳥居の続く表参道を潜りぬけ、鎮座する門番しかりの唐獅子顔の、阿形・吽形の「駒犬」達にも一瞥し、道端に駐車した車に向かった。時刻は、昼下がりの2時過ぎであった・・・。


 


Sandou

Komainu




 







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