伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
 伊勢の山々から志摩の海までの、自然史スポット&とっておき情報など…。
  感性の趣くままに-。

夏の終わりの8月22日、久しぶりの晴れ間に奥伊勢の「 藤川 」へ出向く

2021年08月24日 | 伊勢志摩~奥伊勢のフィールド・ワーク



板取橋附近の 「藤川」 ~ 2021年8月22日撮影

 今夏は、お盆前の8月11日(「山の日」の休日 )まで、猛暑をふるっていた強烈な夏陽( なつび )が消え、日本列島を縦断するように、西から東に延びて来た停滞前線の影響で、真夏日の好天が一変し、12日から先は九州や四国・中国地方に豪雨をもたらした、梅雨空にも似た気圧配置の空模様となった。
 伊勢地方も殆ど晴れ間の無いままに、お盆を挟んで10日程、ドシャ降りの豪雨を伴う雨天や曇天続きの悪天候であった。

 その為、例年のようにお墓用のシキビ( シキミ )を採りに、行き慣れた奥伊勢の林道にも入れず、やむなく市販の高価なシキビを買って、塔婆と共にお盆最後の16日に、やっと参墓を済ませた次第だ。

 8月も下旬となった22日は、不思議にも朝から日射しがあった。高層雲や高積雲のまばらな天空には、久しぶりの青空が広がり、昼前になってやや曇っては来たものの、降雨の心配は無さそうに思えたので、日曜日ではあったが先月同様に、午後1時から3時間限定の外出を試みた。
 三重県もこの処、コロナウイルスの感染者数が連日最多数を更新し続けている最中でもあるので、この日も人込みを避けて、奥伊勢の藤川へと車で向かった。


藤川に合流する支流の 「板取川」 ~  2021年8月22日撮影


 度会橋を渡って左折すると、宮川左岸の堤防道路の県道38号線が度会町の大野木へと続く。 そ先は、断続的に人家や店舗が沿道沿いに棚橋まで続き、さらに宮川左岸の村落を繋ぐように、アップ・ダウンのある蛇行気味の舗装道路が相鹿瀬へと続くが、その手前の中川大橋の信号交差点で、左岸の道路は県道119号線となり、栃原で国道42号線に合流する。

 県道38号線は中川大橋を渡ると、宮川右岸の村落を縫うように奥伊勢の度会郡大紀町へと進み、やがて七保大橋に通じる道路と交わる。
 道路の曲がり角には「七保警察官駐在所」があり、そこの信号交差点を左に折れると、藤川の左岸を遡り、「金輪」の村落を経て間もなく「藤」の在所に至る。


板取橋から眺めた 「藤川の川下」 ~  2021年8月22日撮影


 藤川での探石を兼ねた納涼は、藤川の親水公園として整備された当地の「西の瀬公園」付近の川原と、その上流の「木屋」までが最適である。 特に、途中にある「板取」の村落に向かう板取橋の下は、藤川支流の板取川との合流点であり、「七華石」や「赤鎧石」等の集まる、かつての当地きっての名石の産地である。


僅かに現われていた板取橋下の 「藤川の川原」 ~ 2021年8月22日撮影


 この日は、この板取橋の下をターゲットに来てみたのだが、水量が多く渓流もゴウゴウと音を立てて流れており、川原は右岸の岸に僅かに見えているだけで、殆ど望み薄であったが、とにかく橋のたもとに車を止めて、いつものようにゴム草履で下りてみた。
 天空は青空にちぎれ雲が流れ、日射しも川風も程よく、熱中症の心配も、コロナ感染の心配も全く無い自然の環境下で、水量さえ無ければもっと歩き回るのだが、復路の所要時間を考えると30分程しか時間がなかった。

この日揚石をした赤鎧石の 「段石」 ~  左右幅約12cm


 ちょっと感じの良い赤鎧石の手頃な「段石」を水中から引き抜き、泥の付いたままバケツに入れた。 帰りがけに、川岸に頭だけ出して埋もれていた大きい目の緑色岩を、何とか掘り出してみたら、座りは全く良くないものの、石灰岩の層状脈の一部が「滝石」の観を呈していた。
 これも泥のままバケツに入れ、あとは七華石の小片を2 ~ 3個拾ったのみである。
この日揚石をし、底面をカットした 「滝石」 ~  左右幅約20cm

 帰りは、少し反射光の眩しい日射しを背後に受け、青空を西方へと見渡すと、宮川を隔てた連山の彼方に白い入道雲がわいていた。 車の窓を開けると、何処からかツクツクボウシの啼く声が聴こえ、明日の下り坂らしい空模様の合間を惜しむかのように、赤とんぼが行く先々の田畑に舞っていた。





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