かつて、ブログのバックナンバーに、何度か志摩の海岸産の石を取り上げて紹介をしてきたが、潮かぶれの漂礫の表面に浮き出た模様の中には、層内断層の見られる「断層石」や、階段状の断層が示す「稲妻模様の漂礫」、そして「層内褶曲」などのきれいないろんな地層模様の石などがあり、特に大王町名田の大野浜などに集積している。
この他にも海岸を見回ると、時には思わぬ獲物に遭遇し、今回紹介する「梅花石」類似の紋様石などもその一つである。
今月の始めに、いつも行く名田の大野浜で見つけた冒頭写真の小石は、正に「梅花石」と言える程見事なもので、花のサイズは2cm程であるが、芯がありその周りに五弁の白花が一つ開花している。
これは、著名な門司産のウミユリの一種(ヘテロクリニデー属)の化石が示す「梅花石」や、輝緑凝灰岩中のいびつな小球状の方解石等の断面が示す、梅花石類似の紋様石とは全く別物である。
この石は、半ば珪質化した細粒砂岩中の残存石英脈が呈する、全く偶然の産物である。
この他にも、志摩の海岸からは、砂質岩の他、泥質岩(頁岩、珪質頁岩)や珪質岩(チャート)等の浜砂利の表面には、いろんな紋様を呈するきれいな漂礫があり、小型~ミニサイズの「紋様石」として楽しむ事が出来る。
以下に、これまでに志摩の海岸で拾って来た、幾つかのきれいな「漂礫の紋様石」の写真を掲載しておきます。