伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
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  感性の趣くままに-。

続・日本各地の「石のみやげ物工芸品」

2017年03月25日 | 石のはなし

国産翡翠のリング(指輪)~ 新潟県糸魚川市の観光土産品

 かつて 2015年の春に、「石を使った観光地の土産物品」(バックナンバー 2015年5月18日 参照 )を、そして2016年の春に、『日本各地の観光記念の玉石細工の「土産物工芸品」』(バックナンバー 2016年5月10日 参照 )を、それぞれ書いた。
 その後も、折あるごとに、わが国の観光地などで発売されている「石を使ったみやげ物工芸品」や、「石細工の実用品」等を調べてきた。
 多分、北海道内の各地や沖縄等の遠方に行けば、他にもいろんな物がたくさんあるだろうし、土産物の中には、時代と共に廃れていった、あまり知られていない石製のレトロ品なども、全国各地には種々と残存している事と思う。


溶岩を用いた置物 ~ 鹿児島県・桜島観光記念の土産物品


 又、戦前の一時期にしろ、日本が満州国を統治していた時代には、玉石類の他、石炭やジェット(石化した硬質の黒炭)などを使った、中国工芸ならではの精巧な大陸みやげの「石細工品」も、内地(日本国内)にかなり搬入されていた事と思う。


小浜市(福井県)で売られている瑪瑙の原石と工芸品の研摩玉
北海道土産の赤瑪瑙製のパイプ
 その後入手した「石のみやげ物工芸品」等も幾つかあるので、前回の補稿として再度取り上げてみた次第だ。
 ちなみに、我が三重県には、貝細工や貝類を用いた工芸品、真珠製品等はたくさんあっても、地元産出の石の製品となると、工芸品の類(たぐい)としては、熊野地方の那智黒石ぐらいで、それ以外にはやはり熊野地方の御浜小石(みはまこいし)を使った観光みやげの置物品等があるにすぎない。


秋芳洞(山口県)の観光土産品 ~ 大理石製のこけしの置物


 現在も、国内の著名な観光地等でよく見かける石の製品をあげると、秋芳洞(山口県)など観光鍾乳洞のある地方では、鍾乳石の置物の他、石灰岩(大理石)のミニチュア石灯籠や大理石のコケシなどがあり、北海道や小浜(福井県)などかつての瑪瑙の産地では、瑪瑙細工の工芸品が作られ続けている。さらに富士山や桜島(鹿児島県)などの観光火山では、溶岩を用いた置物などがあり、観光地となっている各地の温泉郷では、みやげ物用の湯ノ花(沈殿硫黄)や軽石を店頭に並べている店がある。

研摩製品の小型のアンモナイト ~ 北海道特産の化石の土産物品

 その他、特殊な鉱物や岩石の著名な産地では、次のものがよく知られている。

 滑石細工の置物(埼玉県の長瀞)、翡翠のアクセサリー・他(新潟県糸魚川市)、琥珀の装飾品・他(岩手県久慈市)、水晶細工・他(山梨県の昇仙峡など)、碧玉製の勾玉・他(島根県の玉造温泉など)、錦石のストラップ・他(青森県青森市など)、梅花石の入った石灰岩の工芸品(福岡県門司市)、菊花石の入った工芸品(岐阜県の揖斐地方など)、アンモナイトの飾り物品(北海道)、砂金入りカプセルのストラップ(北海道の浜頓別)、黒曜石の置物(北海道の十勝地方など)


全国的な石製の土産物品 ~ 滑石製の石灯籠のミニチュアとコケシ


 昭和年代には、観光スポットでもあった各地の大規模鉱山では、みやげ物用に鉱石や鉱物標本を販売していた事があるが、今はマインランド(鉱山遊園地)となった、ごく限られた観光地と化した鉱山跡の施設で僅かに見られるに過ぎない。
 ちなみに、鉱物標本等を展示する「石の博物館」や「地球科学をテーマとした博物館」などに行けば、国外産の美・貴石を中心とした「石のみやげ物品」がかなり販売されています。



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