北大ボートblog

北大ボート部部員によるほぼ定期更新ブログ。

おはようローイング

2022-05-24 11:02:17 | 日記
皆さんおはようございます。四年目漕手の豊枝です。北大ボート部は新入生を迎え元気に活動しています。


今日は昨日と数ヶ月前に感じたことをお話しします。


まずは昨日の夜ローイングの志⑭を読んで世界が変わったお話です。

最近自分はシングルを漕いでいるのですが、そこで抱えていた問題点とどんぴしゃの内容が書かれていました。キャッチとは何か、ドライブとは何か、フィニッシュとは何か。

議題はとても基本的なことなのにその内容の深さ、何年もの経験から得られる知識がこれでもかというほど詰まっていて、まるで一本の映画を見たかのような衝撃でした。

これが無料で読める時代か!

このブログを読んでいる未来のボート部員にはぜひ読んでほしいです。一回読んだことがあっても時間が経ってから全く違うもののように感じるなんてよくある話ですね。




また数日前に大熊さんのダブルで直々にローイングを教えていただきました。それ以降スカルの意識がガラッと変わり、ローイングの志とも噛み合い自分の中でローイングの答えが一つ見つかったような気がしています。
次ダブルに乗ったときは全く別人になっていると思いますので、大熊さんまたよろしくお願いします!





次は数ヶ月前、冬季オリンピックを見ているときに人間はなんて愚かなのだろうと思ったお話です。


冬季オリンピックではショートトラックがとても注目を浴びていましたね!4人くらいのスケーターがレースするやつです。

ショートトラックと言えば語られる伝説、ソルトレークシティ2002のスティーブン・ブラッドバリーの奇跡の金メダル。


とても優勝候補とは言えなかった彼は準々決勝で3位、2位までしか次に進めないためそこで終わるはずだったオリンピックは、上位選手の失格で繰り上げ2位で通過。

準決勝では他選手の転倒で決勝進出。しかし決勝ではスタート直後、実力通りに差が開き最下位でフィニッシュ。


というところで前を走っていた選手全員が転倒し、まさかの金メダル。



有名な話なので聞いたことがあったと思いますが、皆さんはこれを聞いてどう思うのでしよう。

やはり、どれだけ可能性が低くとも諦めるなということでしょうか。

確かにそうですね。


ただ僕は違います。なんて人間は愚かなのだと思ってしまうのです。

普通の人なら優勝した選手に目がいってしまいがちですが、僕が着目するのは転倒した選手たち。なぜ転倒してしまったのか、転倒するほどの理由があったのか。


いくら決勝で熱くなるからといって、他選手と衝突し転倒してしまえばその時点で金メダルは手にすることはできなくなる。これは試合に勝ちたいという強い気持ちを抑えきれなかったのが原因でしょう。熱くなる気持ちを堪えて戦うことはできなかったのか。

そこで新たに着目したのが競馬の世界で活躍する馬たち。


彼らはどれだけ本気で走ろうとも接触せず、淡々と綺麗なフォームで表情を一切変えることなく走り切る。

なんと美しい。

あれだけのスピードを出しながら、他馬と脚がぶつかったり、こけたりしない。その理由は。


僕がたどり着いた答えは「心」。


ショートトラックと競馬の違いは勝者、勝馬に与えられるものとそれに対する心の在り方。


人間は勝利そのものが目標であり、そこに価値がある。

ただ馬にとってはおそらく一位でゴールして得られるのは騎手や観客の喜び。

もしかしたらご飯のグレードが上がったりするのかもしれませんが、それが優勝したからだというのは馬は理解していないだろうから一位になることに意味を感じてはいないのでは。

おそらくニ位の馬がゴール直前で一位の馬を抜くかどうかという場面でも、あの馬たちはいつもと何ら変わらない気持ちと走り方で、僕らでいうコース300mを示す3のブイを横切るくらい当然かの如く走り去っていくのだろう。

ただ本気で走る。その結果が一位であれ、最下位であれ。


僕はこの馬たちを美しいと思い、人間を愚かだと思う。だがそれと同時に可愛そうで、誇らしいとも思う。


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