年末は、消費者が食に一番カネをかける時期だ。
事業者は、1年で一番儲かる時期だ。だから、作ることと売ることだけに神経を集中させる。
ために、毎年のように、年末になると食の不祥事が発生する。
2013年12月末、アクリフーズ(現・マルハニチロ)の冷凍食品に農薬が混入される事件が起きた。自主回収対象商品は630万パックにも上がった。食中毒患者は発生しなかったが、
2013年11月13日、消費者からクレーム。
2013年12月29日)、回収を公表。
年末のかき入れ時に回収騒ぎを起こしたくなかったのだろうが、消費者のクレームから回収の公表まで1か月半もかかった。消費者の安全より、企業利益を優先させた結果だ。
2014年に中国で起きた期限切れ食肉使用事件では、床に落ちた肉やカビの生えた肉を平気で商品にする衝撃的な映像が紹介された。
余りにも不衛生で、余りにも低いモラル。
ところが、日本でも2014年12月に、まるか食品のカップ焼きそば(ペヤング)からゴキブリが丸ごと1匹見つかる、という前代未聞の異物混入事件があった。
発覚したキッカケは、消費者からの指摘だった。ツイッターの写真を見せられて、まるか食品は「通常の製造工程ではこのような混入はありえないことだ」と全面否定した。
しかし、結局は工場内で混入した可能性が否定できない、として、すべての商品の製造・販売を中止した。
自主回収対象外の商品を「安全性に問題はないと考えているが、返品に応じる」という企業姿勢は問題だ。
消費者だけではなく、小売店に対しても同じ処置をとったので、店頭からペヤング・シリーズがすべて無くなってしまった。本当に安全なら、食べられる商品まで返品・返金を受付けたことになる。全量廃棄処分はもったいない。
その直後、不二家でも2種類のカビが生えたケーキが見つかった。
これも消費者のツイッターの写真が発覚のキッカケだった。不二家は、クリスマス翌日の26日、製造・販売した店舗の製造を中止すると発表した。
まるか食品のカップ焼きそばも、不二家のケーキも、見た目ですぐわかる異物や変色だった。
事業者側でなぜ発見できなかったのか、不思議だ。中国だけでなく、日本の衛生管理も自慢できたものではない。
その後、マクドナルドを筆頭に、続々と異物混入が明らかになった。
最近多くなったわけではなく、企業が隠していたものが表面化しただけのことだ。
マクドナルドの記者会見は、史上最悪、最低だった。
子どもが怪我をした原因が、ソフトクリームの機械の破損だのに、公表せず、全国にある同じ機械2,600台を点検することもなかった。
二次被害が発生するにもかかわらず、公表しない姿勢は、企業の社会的責任を果たしていない。
さらに、フライドポテトに歯が混入していた事件では、自社や工場などの従業員らの「歯は抜けていない」「マスクはしていた」という言葉を信用し、マクドナルド側で混入した可能性はほとんどない、とし、客に確認することもせず、客の歯の可能性がある、と発言した。
自社の人間より客を疑っている。
マクドナルドは、消費者の安全を最優先せず、消費者を信頼していないことも、世間に知らしめた【注】。
危機管理の対応がなっていない。学習能力がない事業者、懲りない事業者が多すぎる。
【注】記事「異物混入、意識にズレ 「ゼロ」前提の消費者/企業は「難しい」 ネットで拡散、対応を模索」(朝日新聞デジタル 2015年1月19日)
□垣屋達哉「年末に多発した食の不祥事 管理能力がどんどん劣化する日本の食」(「週刊金曜日」2015年1月16日号)
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事業者は、1年で一番儲かる時期だ。だから、作ることと売ることだけに神経を集中させる。
ために、毎年のように、年末になると食の不祥事が発生する。
2013年12月末、アクリフーズ(現・マルハニチロ)の冷凍食品に農薬が混入される事件が起きた。自主回収対象商品は630万パックにも上がった。食中毒患者は発生しなかったが、
2013年11月13日、消費者からクレーム。
2013年12月29日)、回収を公表。
年末のかき入れ時に回収騒ぎを起こしたくなかったのだろうが、消費者のクレームから回収の公表まで1か月半もかかった。消費者の安全より、企業利益を優先させた結果だ。
2014年に中国で起きた期限切れ食肉使用事件では、床に落ちた肉やカビの生えた肉を平気で商品にする衝撃的な映像が紹介された。
余りにも不衛生で、余りにも低いモラル。
ところが、日本でも2014年12月に、まるか食品のカップ焼きそば(ペヤング)からゴキブリが丸ごと1匹見つかる、という前代未聞の異物混入事件があった。
発覚したキッカケは、消費者からの指摘だった。ツイッターの写真を見せられて、まるか食品は「通常の製造工程ではこのような混入はありえないことだ」と全面否定した。
しかし、結局は工場内で混入した可能性が否定できない、として、すべての商品の製造・販売を中止した。
自主回収対象外の商品を「安全性に問題はないと考えているが、返品に応じる」という企業姿勢は問題だ。
消費者だけではなく、小売店に対しても同じ処置をとったので、店頭からペヤング・シリーズがすべて無くなってしまった。本当に安全なら、食べられる商品まで返品・返金を受付けたことになる。全量廃棄処分はもったいない。
その直後、不二家でも2種類のカビが生えたケーキが見つかった。
これも消費者のツイッターの写真が発覚のキッカケだった。不二家は、クリスマス翌日の26日、製造・販売した店舗の製造を中止すると発表した。
まるか食品のカップ焼きそばも、不二家のケーキも、見た目ですぐわかる異物や変色だった。
事業者側でなぜ発見できなかったのか、不思議だ。中国だけでなく、日本の衛生管理も自慢できたものではない。
その後、マクドナルドを筆頭に、続々と異物混入が明らかになった。
最近多くなったわけではなく、企業が隠していたものが表面化しただけのことだ。
マクドナルドの記者会見は、史上最悪、最低だった。
子どもが怪我をした原因が、ソフトクリームの機械の破損だのに、公表せず、全国にある同じ機械2,600台を点検することもなかった。
二次被害が発生するにもかかわらず、公表しない姿勢は、企業の社会的責任を果たしていない。
さらに、フライドポテトに歯が混入していた事件では、自社や工場などの従業員らの「歯は抜けていない」「マスクはしていた」という言葉を信用し、マクドナルド側で混入した可能性はほとんどない、とし、客に確認することもせず、客の歯の可能性がある、と発言した。
自社の人間より客を疑っている。
マクドナルドは、消費者の安全を最優先せず、消費者を信頼していないことも、世間に知らしめた【注】。
危機管理の対応がなっていない。学習能力がない事業者、懲りない事業者が多すぎる。
【注】記事「異物混入、意識にズレ 「ゼロ」前提の消費者/企業は「難しい」 ネットで拡散、対応を模索」(朝日新聞デジタル 2015年1月19日)
□垣屋達哉「年末に多発した食の不祥事 管理能力がどんどん劣化する日本の食」(「週刊金曜日」2015年1月16日号)
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