お寺のオバサンのひとりごと

心のマッサージにお寺へ行こう!

祝婚歌

2012年02月21日 | 本紹介
 まだ、ちょっと早いのですが、春彼岸にお参りのご門徒さんに配布する小冊子を取り寄せました。
 「お彼岸 春」本願寺出版社 

 その中で小池秀章師が、吉野弘氏の「祝婚歌」を紹介なさっています。

 二人が睦まじくいるためには
 愚かでいるほうがいい
 立派すぎないようがいい
 立派すぎることは
 長持ちしないことだと
 気付いているほうがいい
 完璧をめざさないほうがいい
 完璧なんて不自然なことだと
 うそぶいているほうがいい
 二人のうちどちらかが
 ふざけているほうがいい
 ずっこけているほうがいい
 互いに非難することがあっても
 非難できる資格が
 自分にあったかどうか
 あとで
 疑わしくなるほうがいい
 正しいことを言うときは
 少しひかえめにするほうがいい
 正しいことを言うときは
 相手を傷つけやすいものだと
 気付いているほうがいい
 立派でありたいとか
 正しくありたいとかいう
 無理な緊張には
 色目を使わず
 ゆったり ゆたかに
 光を浴びているほうがいい
 健康で 風にふかれながら
 生きていることのなつかしさに
 ふと 胸が熱くなる
 そんな日があってもいい
 そして
 なぜ胸が熱くなるのか
 黙っていても
 二人にはわかるのであってほしい 

        吉野弘 「贈るうた」花神社
コメント (2)
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