とにかく周到につくられた脚本。ヒロイン(ジョディ・フォスター)がこどものころから無神論者であることを
「パパ(デビッド・モース)の薬が一階に置いてあったらパパは死ななかった」
と牧師に主張することで描写。恋人が牧師であるために相克があるが、その彼女が
「神様!」
とつぶやくのがどんな場面だったかがこの作品のキモ。むかし観たときは、いくらなんでも北海道東部にあんなものをつくったらバレバレじゃろ、と北海道東部に住んでいた女性と結婚したわたしは笑ったけれど、話はそう簡単ではなかった。日本がプロジェクトに“下請け”として参加していたことが意味を持ってくる。なるほどねえ。
原作のカール・セーガンは映画の完成を見ずに亡くなったらしい。見たらきっと喜んでくれたことと思う。ジョディ・フォスターはひたすら素敵。恋人役はマシュー・マコノヒー。この映画以降低迷したけれどついに復活。その意味でも、いま見るに値する作品だ。このころのゼメキスは無敵だった。
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