前にも特集したように、なんと「この1冊」の読者がエキストラで出演しているので、目を皿のようにして(どんな目だよ)さがす。でもみんな小汚い格好をしてるもんだから(笑)よくわからない。その辺の確認を、なぜだか当の本人がまだ観ていないというからよろしくねスガワラくん。
さて「ICHI」。女座頭市を綾瀬はるかが演じる、という情報だけで観たわけだけど、座頭市とICHIの関係にはちょっとしたひっかけが用意してある。これは見てのお楽しみ。
監督の曽利文彦は「ピンポン」「APPLE SEED」そして前作「ベクシル」でわかるようにCGのエキスパートだ。だからさぞやトリッキーな殺陣がさく裂するのだろうと思ったら意外に地味。売れっ子となった綾瀬はるかに無理はさせられないからか、逆手の居合いしか最後まで使わせていない(しかもかなりカットを割っている)。でも、やろうと思えば北野武版「座頭市」のように石灯籠を居合いでぶった切るぐらいの芸当を見せてもよかったはず。それをやらなかったのは、「はなれ瞽女(ごぜ)」となったICHIの人間ドラマの方に重心があったからだ。
これは……気持ちはわかるけど(CG職人というイメージを払拭したかったろうし)成功したとは言い難い。どんなに薄汚れた衣装をまとっても美貌が隠せない綾瀬には、もっと軽くて陽気なチャンバラ劇を演じさせた方が……。
わたしの苦手な大沢たかおが“刀を抜けない剣豪”を無難に演じていますが、オーバーアクションの中村獅童と竹内力の方がはるかに魅力的。佐田真由美の容姿がすっかり衰えていたのにはびっくり。
で、ラストは「村の子どもに手を振られながら立ち去る風来坊」というお決まりのシーン。撮影されたのは羽黒の柿畑だろう。遠くの方に、なんとアルミの脚立が見えてます。そのあたり、これからはちゃんとしてね庄内映画村のみなさん。
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