論争、をあの小谷野がとりあげるのだからそりゃー恣意的に……そうでもありませんでした。むしろ過剰に冷静になっているような気さえ。
川端康成の「事故のてんまつ」や筒井康隆の断筆宣言騒動あたりからわたしもリアルタイムで知っていたわけだけど、「たけくらべ」のラストが“初潮”か“破瓜”か、春琴抄において春琴の顔にお湯をかけたのは誰か、なんて論争があったなんて知らなかったなぁ。こういうことはミステリ作家にまかせておけばよいのでは?
こういう本を濫読していると、わたしがいつも読んでいる作家たちが反目しあっているあたりがうかがえて面白いっす。小谷野は内田樹を認めず、内田は宮台真司や上野千鶴子をいなし、森達也と江川紹子は反目し合い……なるほど、世に論争の種はつきまじ。"
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