事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

飛翔体

2009-04-05 | ニュース

Pdn04122703 「北朝鮮、ミサイル撃たどや」
庭木の雪吊りをとっているわたしに、父親が少し興奮して告げる。お父さん、正確には朝鮮民主主義人民共和国が長距離弾道ミサイルと見られる(しかし人工衛星だと自称する)飛翔体を打ち上げたんだぞ(笑)。

「飛翔体」「誤探知」「誤発表」……お役所の造語能力にはおそれいる。責任の所在がみごとにぼかされているのだ。現実には親父レベルの言葉がとびかっているわけで、テレビのニュースでは実際に市町村の警報は「北朝鮮がミサイルを打ち上げました!」だった。政治的背景を理解していない、たとえば子どもにとっては恐怖の一日となっただろう。唯一、「ガメラレーダー」ってフレーズは大好きだけれど。

にしても、テポドン1号2号のときとは違い、事前通告を行うことでこれだけ世界を動かすことができ、とりわけ日本が右往左往したことに北朝鮮は味をしめたはず。これまで何度も特集してきたように、冷戦構造が奇跡的に生きながらえさせているあの“王国”のやることに、いちいち反応していては状況を誤探知してしまう。本気で外交を考えている人なら気づいているはず。北朝鮮問題とはすなわち拉致ではなく核なのだと。今回の騒ぎでそれは再確認できたのではないか。

昨日まで、ミサイルをどう迎撃するかと政府は勢いこんでいたはずなのに、発射したかどうかすら誤報してしまうレベルなのにはわたしも驚いた。MDがひたすら金食い虫であるくせに、その実効性が疑わしいことはレーガン時代から言われていたはず。だからこれから「北朝鮮のミサイルという例」をかかげて防衛予算の増額を要求する政治屋が現れることには警戒しなければ。だいたいさぁ、あれほど情緒的感情的報道であおっていたテレビ局が、そのミサイルの姿をテレビに映し出せないのにもあきれる。

大山鳴動鼠一匹、という。しかし今回の騒動では、大山鳴動することそれ自体を喜んでいる層の存在が感じられて嫌だった。シミュレーション、がキーワードだろうか。開戦前夜であるかのようなムードを醸成し、戦争となったら手足となるべき県や市町村の動きを冷静に分析する行為が、これから誰かさんによって行われるのだろう。東北の小さな出来事にすぎない、と実は感じている都会のどこかで。

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