PART8「竜馬がゆく」はこちら。
さあつづいては「天と地と」。ここから本格的に大河ドラマを見始めたといえるかも。題材は海音寺潮五郎が上杉謙信と武田信玄の激突を描いたもの。
のちに角川春樹が映画化したけれど、いやはやドラマが存在しない映画だった記憶が。むしろ渡辺謙が病気で降板し、榎木孝明が代役に選ばれた楽屋裏の方がよほど……
それはともかくこちらの主演、上杉謙信には石坂浩二。武田信玄には「太閤記」の信長役で人気が爆発した高橋幸治。謙信をかわいがる乃美役に「おはなはん」の樫山文枝と、NHKとして鉄壁のキャストを用意。おかげで視聴率はV字回復。
日テレでコント55号がなりふり構わず野球拳で勝負した「裏番組をぶっとばせ!」の“裏番組”とは「天と地と」のことだったとか。わたし、そろそろ色気づいてきたけれども、さすがに日曜夜のお茶の間で野球拳は見られませんでした(笑)。
「裏番組をぶっとばせ!」の制作者は「ウィークエンダー」などの細野邦彦。なぜこの名が印象深いかというと、小林信彦の名作「オヨヨ大統領」シリーズで、苦み走った、しかし味のわかる男という憎い役のモデルとして登場していたから。
ほんとに極私的になってきた。
「天と地と」の成功は、豪華キャスト以前に謙信の子ども時代を演じた中村光輝の人気にもよる。あのぷっくりした顔でいたいけなセリフを放つ彼の人気っぷりはわたしもおぼえている。で、彼が成長すると細面の石坂浩二に交代(笑)。
いまでも川中島における謙信と信玄の一騎打ちは名場面として心に残る。子ども心に「こんなことほんとにあったわけないじゃん」と、ひねたことを考えていたけれども(謙信が妻帯しなかった事情がどんなものだったかはさっぱり覚えていないのに)、それに似た接近遭遇はあったのかもね、と年をとったわたしは鷹揚にかまえております。そう考えた方が楽しいし。
他には、織田信長に杉良太郎、濃姫に上村香子(きれいでした!)、北条氏康に中村梅之助、謙信の母に新珠三千代という布陣。面白かったっす。
PART10「樅ノ木は残った」につづく。
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