音楽をダウンロードする生活開始。まだiPodも買っていないのに気の早いこと。このパターンのメリットは、CDショップには既に存在しないどマイナーな曲を聴くことができる以外に、恥ずかしくて買えない曲を誰にも知られずに(笑)購入できることだ。たとえば近頃ダウンロードしたラインナップはこんな感じ。
鈴木祥子「優しい雨」(小泉今日子に提供したあの名曲。メジャーとの契約が切れたから彼女の曲はダウンロードするしかない)
浜田省吾「Love Letter」(区麗情とのデュエット。これは本気で恥ずかしいぞ)
Heart「Dog & Butterfly」(泣けます)
……恥ずかしー。しかしとどめはハイファイセットの作品群。かつての“赤い鳥”時代のフォークならまだしも、「卒業写真」や「フィーリング」で半端にヒットしてしまっているのでいい歳をした中年男が聴くのはちょっときつい。メンバーが泥棒で捕まったってのは笑えるけど。でも、FMで昔流れた「終着駅<ターミナル>」には身体が反応した。甘いメロディーのくせに、なんて絶望的なんだと。
終着駅(ターミナル)
Lyrics:小泉 亮
Music:嶋田 陽一
紙の花びら舞って 喜びの歌に包まれ
白いブーケとベールが 祝福された9月
いつまでも暮れない 長い昼下がり
いつまでも明けない 紺色の空を
分かちあえるものは すべて分け合って
分かちあえないものは ないと信じてた二人
迷い込んだターミナルの 西陽のあたるホームで
あの一人きりにされて泣いた 思い出が消えない
ターミナルではぐれたまま 重い荷物抱えて
涙あふれ駆け回った 私を忘れない
今迷い込んだターミナルの 西陽のあたるホームで
また一人きりになって泣いた 私を忘れない
※詞は思いきり省略してあります。
‘87「ジブラルタル」所収 ハイファイセット
歌詞を読んでいただければおわかりのように、この曲は離婚がテーマになっている。季節感を織り込んで恋愛模様を描くのは日本人の得意技だけど(たとえば「秋=飽き」→オフコースの『秋の気配』や竹内まりやの『セプテンバー』など)、離婚を“西陽のあたるホーム”と形容した歌詞は洒落としても一流。作詞の小泉亮がどんな人かは知らないし(ネットでやっと検索。ソニーのプロデューサーのペンネームだった)、お仕事としてやっつけたのかもしれないけれど、ベスト盤にも入っていないこんな曲とふたたび会えたのだから、ダウンロード三昧の日々はなお続くざんす。
2番の歌詞を記載しました。
うる覚えなので間違っている箇所がありましたらお知らせ願います。
同じ道を辿って、別々の道かよった
蜘蛛の巣のようなレールと、運ばれてゆく日々に
曇り空が風を木枯らしに変えて
曇り空が雨を雪に変えて震えてた
嗚呼迷い込んだターミナルの 陽気な朝のホームで
一人きりにされて泣いた 私を忘れない
きっと何処かで間違えたから目指した場所に行けない
終着駅に着いたらすぐに戻りたい
ターミナルではぐれたまま 重い荷物抱えて
涙あふれ駆け回った 私を忘れない
今迷い込んだターミナルの 西陽のあたるホームで
また一人きりになって泣いた 私を忘れない
結婚とか家庭とかの終着駅って……