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おそらく近藤重蔵と最上徳内の蝦夷地行の資料が面白すぎて、そちらをもっともっと描きたいのに、逢坂さんは作家としての性で
「はっ、物語を書いてない!」
と強引に熊や悪女とのバトルにもっていっているみたい。いいのにもっと歴史小説で(笑)。
重蔵の癖の強い性格も資料どおりなのかな。だとすると壮年の重蔵、晩年の重蔵を描いてくれるとうれしいけどな。そうなると単なる偏屈じじい物語になっちゃうんだろうか。高田屋嘉兵衛、遠山金四郎(お父さんの方)もさりげなく登場し、ますます面白くなっている。
領土問題が非常に微妙な時期なので、露西亜人やネイティブとの関係性など、ほんと読ませるわあ。最上徳内がアイヌと“同じものを食べ”“同じ言葉をしゃべる”ことの重みは参考になる。山形県人として、うれしいです。単なるスパイじゃなかったのね。徳内まつり、行こうかな。
逆浪果つるところ 重蔵始末(七)蝦夷篇 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:2012-09-20 |
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