事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「重蔵始末(七) 逆浪果つるところ」 逢坂剛著 講談社

2012-11-14 | 本と雑誌

51jjeu7cbl_sl500_aa300_ 前巻までの特集はこちら

おそらく近藤重蔵と最上徳内の蝦夷地行の資料が面白すぎて、そちらをもっともっと描きたいのに、逢坂さんは作家としての性で

「はっ、物語を書いてない!」

と強引に熊や悪女とのバトルにもっていっているみたい。いいのにもっと歴史小説で(笑)。

重蔵の癖の強い性格も資料どおりなのかな。だとすると壮年の重蔵、晩年の重蔵を描いてくれるとうれしいけどな。そうなると単なる偏屈じじい物語になっちゃうんだろうか。高田屋嘉兵衛、遠山金四郎(お父さんの方)もさりげなく登場し、ますます面白くなっている。

領土問題が非常に微妙な時期なので、露西亜人やネイティブとの関係性など、ほんと読ませるわあ。最上徳内がアイヌと“同じものを食べ”“同じ言葉をしゃべる”ことの重みは参考になる。山形県人として、うれしいです。単なるスパイじゃなかったのね。徳内まつり、行こうかな。

逆浪果つるところ 重蔵始末(七)蝦夷篇 逆浪果つるところ 重蔵始末(七)蝦夷篇
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2012-09-20
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ミレニアム」全部読んだ! | トップ | 追悼森光子。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事