その1「ゼロワン 陸の孤島の司法書士事件簿」はこちら。
今年の松本清張賞受賞作品。日本でいちばん戦闘機に詳しい人間(某国内メーカーで戦闘機の設計に携わっていた)が書いた航空ミステリだそうな。
犯人の狙いがどうにも小さいんだけれど、マニアックなネタがどかどか注入してあるので(理解できないながらも)面白く読める。これまたお仕事小説として成功しています。
およそ戦闘機の性能だの航空理論だのは読者がわからないのが当然で、そこはわからないながらも(おそらく理解できるひとにぎりの読者向け)なんとなく「はー、そうですか」と納得させられる。
ただ、キャラがほとんど立っていないあたりは御愛敬。ほんとのスパイはあんな行動は絶対にとらないし、人間の感情を理解できない犯人が、ハニートラップをしかけるあたりも無理がある……あ、理解できないからできるのか。次作に期待。
でもこの業界以外のネタで勝負なんて考えないほうがいいと思う。ワン・トリック・ポニーと言われようが、餅は餅屋でしょう。それにしても、この装幀や字体、東宝特撮っぽくていいですなあ。
その3「原発ホワイトアウト」につづく。
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推定脅威 価格:¥ 1,458(税込) 発売日:2014-06-27 |
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