前作「サブウェイ123 激突」で、やはりデンゼル・ワシントンを使って“地下鉄ハイジャック”という映像的にフラストレーションのたまる題材をあつかった反動か、トニー・スコットは映像派の本領発揮とばかりに派手な画づくりにいそしんでおります。
赤や紫を基調にして、暴走する化学物質満載の貨物列車を一種のモンスターに見立て、流麗なカメラワークと速射砲のような画面転換で観客を一瞬たりとも退屈させない。
列車の暴走は、やる気のない運転士のミスがスタート。惰行していると思われた無人列車は、はずみで力行(かぎょうじゃないよ、りっこうだよ)してしまい、速度を上げて大都市の急カーブに向かう。
鉄道会社がとった作戦は、列車の前に別の列車を走らせ、わざと衝突させて減速し、運転席にヘリから人を送り込むというもの。会社の損得だけを考えている上役の考えた作戦なので当然失敗。
では機関士デンゼル・ワシントンはどうやったか。
後ろから暴走列車に近づいて連結し、ブレーキをかけようとするのだ。無茶でしょ?わたし、よく考えると上役のとった策の方が実現性は高いと思う。
会社の作戦第二は、線路に障害物をおいてわざと脱線させるというもの。「そりゃ、無理だ」とワシントンは言うけど(確かに無理でした)、それなら線路を外すなり爆破したらどうなんだと……あ、それだと化学物質が漏れる、可燃物満載の列車が爆発するでダメなのか。
まあ、ストーリーが実話を元にしているのでどんないちゃもんも無駄なんだけど、ラストで紹介される登場人物たちのその後がちょっとあざとい。ミスした運転士はファストフードに転職、無謀な作戦をとった上役は解雇、ワシントンは(クビになる予定だったのに)昇進。おいおい。
ファストフードは命をあずけない仕事だからOK?会社に貢献しようとした上役は簡単にクビ?最大の原因は、社員のやる気をそぐアンビリーバブルな労務管理にあったはず。そっちの方の糾弾もちゃんとやってくれなくちゃ。まあそんなひどい会社でも職業人としてがんばるあたりが美徳ってことなのかな。とりあえず仕事はきっちりやろうぜ。
ブーたれた女の子が線路のそばにいれば、
そりゃーいろんな危機を感じるのが道理。
でも、そんなもん関係あるかっ!っとばかりに無人列車は突っ走る。
“決まったレールの上を走る”のって尾崎豊あたりに
怒られるパターンだけど、レールの上だからこそ
怖いくらいの重量感ありあり。
鶴岡まちキネでもすげー音うるさかったし(笑)確かにそこそこ
客は入ってました。
にしても思う。トニー・スコットこそ3Dで映画を撮りたいんじゃないかと。
該当したので1/8におちびと鑑賞。そこそこの入りです。
「激突!」のトラックみたく、列車がモンスターに見え
親子でハラハラして手に汗握りました!
運転者のいない爆走列車から、伝わる恐怖が半端なかったです。
力強いトニーさんの面目躍如!って気がしましたよ。
マチキネの入りはいかがですか。
この映画はそのあたりの勧善懲悪もシンプルなのね(T_T)
ただ、新米の車掌の設定は微妙だったなあ。
あの夫婦、これからほんとに幸せにやれるんだろうか。