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YouTube: Nagisa Ōshima 大島渚
大島渚の死については、いろいろと考える。
各紙の追悼記事を読むと、読売の通り一遍なあつかいと、思い入れの強い朝日の対応の違いがくっきり。読売にはむかし河原畑寧というめちゃめちゃすごい映画記者がいて、尊大な朝日を凌駕していたのに、いまは朝日の石飛徳樹という記者の独走を許している。
石飛が言うように、大島渚の映画は印象ほどとんがっていたわけではない。観客サービスを否定した芸術派というわけでは決してなかった。
まあ、むかしからケンカばかりしている人だったので、誤解されているのも無理はない話。公衆の面前で野坂昭如を殴った、「朝まで生テレビ」で菅直人を完膚無きまでに論破した……やってましたよね。でも、ケンカ慣れしているだけに、その正論に誰も注目しないでいたことも確かだと思う。自社連携のあたりだったかなあ。「朝まで~」で
「なにを言ってるんだっ!大が小にゆずらなきゃいけないんだよっ」
と絶叫。なるほどー、と思いました。政治って確かにそうよね。
彼の雄姿は、「朝まで生テレビ」の和服姿で残っていくのかな。でも深作欣二の「やくざの墓場」に、なんと大阪府警本部長の役で出ているのでお見逃しなく。大島らしくないセリフをそこで言わされているので笑ったなあ。
彼が憎悪した小津安二郎よりも、なんと大島は二十年も長命だった。不自由な身体で、小津の映画を本音のところでどう思っていたのだろう。
「けっ」
と最後まで思っていたのなら、それはそれでうれしい。
彼の最高作は……うーん、殿山泰司のしなびた陰茎がごろりと露出されていたという「愛のコリーダ」の完全版を見ることができない以上は保留かも。あ、おれは「愛の亡霊」も見ていない。おすぎ(出演しています)のコメントを誰か早く取れ!
※「愛の亡霊」に関しては、当初予定されていた「車屋儀三郎殺人事件」というタイトルではどうしていけなかったのだろう。「御法度」に神田うのを起用した以上に(当時から不可思議なキャスティングでした)納得できない。そのあたりもふくめて、わかりやすい人だったのか。もちろん、この三十年は商売として作品を成り立たせるのに必死だったはずなので、仕方のないことだったわけだが。
「愛の亡霊」は観たくて仕方がないな。
実はその予告篇をここでアップしたかったんだけど、
どうも無理だったんだよなあ。
ひょっとしてフィルターかかってんのかOCN。
なんとかなんないのかなといつも考えてます。
若いころに見逃したのがくやしいなあ。