第二十章「ノア 約束の舟」はこちら。
読者の社会科教師は夫婦で見て
「お~、ラムセスⅡ世か、ガナシュの戦い?戦車戦だ~。それにしてもテロまで……見方によればイスラムの狂信集団も同じかもねえ?」
と喜んでいる。なんだよモーゼのお話だったのか。っていうかエクソダスってタイトル(出エジプト)なんだから早く気づけよおれ(笑)。
モーゼとくれば「十戒」ですよね。チャールトン・ヘストン版(1956)でわたしにはおなじみ。あれ?お若い方にはどうなんだろう。
「『十戒』って知ってるよね。海が割れるヤツ。」
と飲み屋のお姉さんに確認。
「……お父さんがビデオ持ってました。」
あら。
「エクソダス」は、歴史好きか、その「十戒」を見た人なら何も解説しなくてもストーリーは知っているはず。あるいは、キリスト教徒。旧約聖書のお話ですからね。わたしは無宗教だし文学部出身だからいちおうおさらいしておくと……
時は紀元前13世紀。エジプトの王家で、王子のラムセスと兄弟同然に育てられた養子のモーゼは、出自がヘブライ人(ユダヤ人)であることで放逐される。放浪の果てにシナイ山のふもとで羊飼いの一族と合流し、妻もめとったモーゼは、神のお告げによってエジプトの圧政に苦しむヘブライ人たちを約束の地へと導くことになる。
脱出の過程で紅海が割れ、シナイ山にこもるモーゼのところへ炎が飛んで来て石に十の戒めが刻まれる……見たことあるでしょう?
ヘストンの十戒は見ていなくても、あなたはこれに関連した映画を観たことがあるんだよ。それは「レイダース/失われたアーク」。インディ・ジョーンズの最初の冒険においてお宝だったのが、十戒の石版をおさめた箱、それがアーク(聖櫃)だったんですよ。お勉強になりましたね。
今回のリドリー・スコット版は、おとぎ話に近いこの脱出劇を、かなりリアルな方向にひっぱったアレンジがなされている。ダーレン・アレノフスキーのノアにタッチは近い。以下次号。
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アタシ的には、見たかった方向性とまるで違ってた・・ということで、なんかなあ~でした。
ジョン・タトゥーロのファラオに違和感ありすぎて、ちょっと引いた。
キリスト者たちがどう考えたのだろうとも。
それ以前に、エクソダスの話がこのように語られる
ことをユダヤ人たちはどう思ってるんでしょうね。
わたしはこの映画けっこう好きなんです。
シガニー・ウィーバーが出てくると、およそ舞台が
エジプトとは思えないぐらい冷えてるのがいい(笑)