06 「夢想る」はこちら。
資産家の菅原(塚地武雅)は、美しい妻(深田恭子)がいながら、誘惑に負けて浮気してしまう。その浮気相手は菅原のマンションの真向かいから電話をかけてきて
「奥さんと離婚して結婚してくれなかったら自殺する」
と告げる。
うろたえる菅原の眼前で彼女は実際に首をつる。菅原の友人の峰村はかけだして事件現場に急ぐ。しかし……
半年後、妻と離婚し、多額の慰謝料とマンションの権利をむしりとられた菅原は、友人の栗林(渡辺いっけい)にその事件のことを語る。
「その一週間前に、同じ部屋で首をつるのを見たんだ」
謎解きならまかせておけと栗林は胸をはる。「ぼくは帝都大学のガリレオと呼ばれてるからね」だいじょうぶか万年助手なのに。
一週間前に見た光景が、なんらかの予行演習なのだろうとは想像がつく。しかしどうやって浮気相手に首をつらせたのか……結局は湯川の出番。
菅原と湯川が男ふたりで酒場に。菅原は人間的な弱みを愚痴りつづけ、湯川は首つりのときに電気が消えたことにこだわる。どちらも女性に理解されにくいタイプ。
犯人のミスを逃さない湯川。今回は探偵として事件に前向き。峰村は向かいのビルの管理人(でんでん!)に「309号室の女が首をつってる!」と口走ってしまう。また、妻の深キョンは「わたし、その時間には眠ってましたから」と告白し、湯川に「どの時間です?」とつっこまれてしまう。古畑任三郎VS明石家さんまの回を思い起こさせます。
また、離婚したあとも(マンションの権利を奪ったとはいえ)妻が首つりを思い起こさせるマンションに住み続けるあたりもしんどい。
トリックは、電流が流れることで粘性が変化する物質(ER流体)なので、理系色がひときわ強い。問題は、主犯はどっちなのかだ。
その主犯の邪悪さは、峰村が向かいのマンションで、なぜ携帯電話をオンにしていたかで説明される。ここは、いいオチでした。無垢なる表情の深田恭子だからこそ味わい深い。
08「霊視る」につづく。
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