監督:ハーバート・ロス
脚本:スティーヴン・ソンドハイム、アンソニー・パーキンス
出演:ジェームズ・コバーン リチャード・ベンジャミン ジェームズ・メイソン ダイアン・キャノン ラクエル・ウェルチ ジョーン・ハケット
わたしが洋画にめざめたころ、いろんな映画評論がこの映画に言及しているのでイライラさせられた。いったいどんな作品なんだろう、とつくづく。ナイスTSUTAYA。この映画をピックアップしてくれるとは。
いやーしかし意表を突かれたなあ。まず「最初の被害者」にびっくり。ある程度予想していた展開がすべてご破算になってしまった。
前半が壮大な“ヒントの羅列”になっていて、ラストですべて収束させる展開は、おそらくそれまでのミステリ映画にはあまり存在しなかったのではないかと思う。確信ないけど。
で、現在のそういうやり口の映画花盛りの観客からすると、いかにもその収束のシーンが長くて……面白いっ!
シーラという、女性と船の名前が一致した事件で(原題は『シーラの最後』)謎が謎をよぶ。探偵は誰なのか、犯人は誰なのか、そして動機はなんなのか、すべて二転三転する。
しかも、犯罪が映画界においてのみ成立するつくりになっているあたり、公開当時のファンは驚喜しただろう。
「あなたに“死ぬほど”会いたかったのよ」
なんてセリフがあって、こりゃーヒントだろ、と思わせて……
DVDの特典映像にはそのセリフを言うダイアン・キャノン、ベンジャミン・フランクリン(いかにもユダヤ人!)、ラクエル・ウェルチのネタバレ音声が入っていて、鈴木杏樹を思い切りセクシーにしたラクエルは
「あ、この衣装は当時のボーイフレンドがデザインしたの。7ヶ月いっしょに住んでたのよ」
「あたしはフランスが大好き。一時期フランス人と結婚してたし」
と余裕の発言をかましていて笑わせてくれたのでした。さーすがラクエル。彼女以外のファッションはなんとジョエル・シューマカーが担当しています。ファッション関係から出てきた人だったのか……
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