事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

家庭教育支援条例

2012-05-07 | 受験・学校

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YouTube: Bohemian Rhapsody On The Way To School

またしても、大阪維新の会がやってくれています。今度提案される予定の(延期はされたようだが)家庭教育支援条例案なるものがすごい(引用は毎日新聞より)。

▽「親の学び」の手引を配布。母子手帳に学習記録を記載

▽保育・幼稚園で年1回以上「親の学び」カリキュラムを導入

▽保育・幼稚園で保護者の一日保育士(幼稚園教諭)体験を義務化

▽保護者対象の家庭用道徳副読本を作成し、配布

▽中学生~大学生に乳幼児の生活に触れる体験学習を義務化

▽乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害やそれに似た症状を誘発する大きな要因と指摘され、それが虐待や非行、引きこもりなどに深く関与していることに鑑み、その予防・防止をはかる

▽発達障害課や、部局が連携した発達支援プロジェクトを設置

▽わが国の伝統的子育てによって(発達障害は)予防、防止できる。子育ての知恵を学習する機会を親やこれから親になる人に提供

……これを本気で言っているのだとすれば維新の会ブレーンのコスト意識欠如には驚かされるし、復古調教育の実現が目的だとすれば、その手法の拙さにもあきれる。

まず「親の手引」「家庭用道徳副読本」なるものの行く末は既に見えている。文科省が鳴り物入りで導入した「家庭教育ノート」「心のノート」が家庭や児童生徒にどう迎えられたか。どう考えても為政者の自己満足、あるいは「こんなこともやっています」というアリバイづくりだったではないか。

まあ大阪のことだからちゃんと読んだかどうか(くちびるを読むなどして)チェックするのだろうけれども。

保護者が保育士を体験するのはまことにけっこうなことだろう。でもその体験を“提供”するのではなく“義務化”するあたりが真骨頂。どうあっても自分の言うことをきけ、あるいは“(立派な親である)自分のようになれ”と強要しているのである。母子手帳への記載(ちゃんと受けたかチェックするというのだ)が明文化されるあたり、一貫している。

加えて、発達障害が親の愛情不足であるかのような内容だったり、伝統的子育てによって発達障害が“予防”できるというフレーズには気が遠くなった。どうやら発達障害の子どもを持つ親は、なんらかの欠格があると大阪では断じられるみたい。

もちろん親たちは激昂し、結果的に5月議会への提案は見送られている。しかしこれからも同じ根をもった提案はなされるだろう。微妙な文言修正を加えてね。そのことをわたしたちはすでに教育基本条例で学んでいる。

今回の提案は、若い世代にめがけた施策なのに、年長者のウケをねらっていることが歴然。かなり戦略的なのだ。いつものことだが、間抜けな施策なのに効果的。侮れない。

本日の一曲は名も無き家族がくりひろげるクィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」。フェイスブック仲間のページで知りました。ノリの悪いオーディエンスである長男を煽る長女がおかしくて頼もしい。うちも女子高生である娘の送迎のときにやろうかしら。でも英語はしんどいから「手をとりあって」で。湿っぽいクルマ(T_T)

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