送別会で飲んでいるときのことだった。校長がビール瓶を持って職員に注いで回っている。
「あーすみませーん。おれは他の人に酒を注ぎに行くってことができなくて」
「知ってる。」
ああそうですか。すいませんね礼儀知らずで有名で。だからというわけでもないが、マナーの話になる。校長は強硬に主張。
「おれはさ、年長者としてみんなに教えとかなきゃいけないと思ってたんだ。ビールを注ぐときはさあ、ラベルを上にするってのがルールだって」
「え?」
「知らないだろ?これから地域の人たちと飲むことも多いはず。そんなときに学校の連中はそんなことも知らないのか、って言わせたくないんだよ」
知らなかった。面白いからテーブルのみんなに聞いてみたら、知っていたのはわずかにふたり。どちらも民間で働いた経験のある人たちだった。
「常識ですよー」
「へー。で、なんで上にするの?」
「さっぱりわからない(笑)」
社会科教師はガリレオのような回答。ところが理科は
「実験のとき、薬品を注ぐときは必ずラベルを上にするんです」
「ほぉ」
「どうしても液だれするときがあるでしょ?薬品がラベルにたれて読めなくなると困るじゃないですか」
なるほどね、一理ある。帰ってからネットでチェックしたら確かに常識のようだ(系列の関係でラベルをわざわざ隠すというルールも存在する)。しかし理由の方は諸説あった。そのなかで最も説得力があったのは、ソムリエがワインを注ぐときに、どんなワインかを客に見せるためにラベルは必ず上にするルールが、自然にビールにも適用されたのではないかと。おー、なんにでも理由はあるもんだ。
「どうしても両手で注げない距離のグラスに注ぐときは、自分の左手の人差し指と中指を右の手首に添えるんだ!」
校長、それって理由ないような気がする。
※画像は、ビールのラベルで語られるネタの定番。このなかに「キ」「リ」「ン」がある。新人諸君、さぞや先輩から「知ってるか!」と言われるのであろう。「知りませんでした!」って答えとけよ。
そりゃちょっとびびる。
来し方をふり返って……わたしは誰もびびらせてません(笑)
「ラベル上」と「ビンの口をグラスにあてない」の二つ.
飲めないのに先輩に注がれて困ってる後輩には,
「まあまあそのへんで.代わりに私が飲みますから.」と交代してあげるという習慣も.
若造なのにみんなが粋がってた想い出・・・
私はのんべだったけど,そうでない人には
ただの苦痛だったろうなあ.
というか風習は伝承されていくんだね。
わたしはナンパ系飲んべえだったので
飲めればなんでもよかったです(^o^)