「舞妓はレディ」以来、5年ぶりの周防正行監督作品。すっかり寡作な人になっちゃったなあ。
まあ、それはもちろん「ファンシィダンス」(本木雅弘の初主演作)「シコふんじゃった。」(日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞)「Shall we ダンス?」(主演の草刈民代と結婚)「それでもボクはやってない」(キネマ旬報ベストテン第1位)「終の信託」と傑作を連発したために自らのハードルを上げてしまっている部分もあるだろうが。
オーディションで主演のふたりに成田凌と黒島結菜を抜擢。このあたりのセンスはさすがだなあ。この若いふたりを竹野内豊、小日向文世、永瀬正敏、周防組常連の竹中直人と渡辺えり、そして高良健吾や池松壮亮(のちに名作「雄呂血」を撮る二川文太郎監督役)がサポートする。ネタは活動写真の弁士。
これで面白くならないわけがない……はずだった。でもどうにも見ていて心が浮き立たない。演出のリズムも重い。
おそらくは、消えていく職業としての弁士の悲哀に振り回されてしまったのではないだろうか。
しかし劇中の無声映画のキャストが意外に豪華だったり(草刈民代は誰でも気づくだろうけど、外人女優がシャーロット・ケイト・フォックスだったのって気づきませんでした)、「ニュー・シネマ・パラダイス」のパロディも仕込んであって退屈はしないんだけれど。
監督、今度はもっと軽くお願いします。あ、それから、また5年も待たせないでくださいよ。
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