事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「新宿遊牧民」 椎名誠著 講談社

2011-04-28 | 本と雑誌

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新宿遊牧民
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-10-09
わたしたちの世代にとって、椎名誠とはいったいなんだろう。

「哀愁の町に霧が降るのだ」に始まった著作は(一部のSFを含めても)すべて彼の自伝と言ってよかった。究極の私小説作家なのかも。

「新宿~」はその極北。構成をわざと粗くしてどんなネタもぶちこめるようにし、ストーリーも起伏を生じないようにしている。つまり、わざと“完結”しないようにしているのだ。

その背景には、彼の知人が次々に亡くなっていることもあるだろうか。「哀愁の~」の頃にはこんな展開になるとは思いもしなかった。椎名誠も、読者であるわたしも若かったのかな。

それにしてもおなじみ目黒孝二、沢野ひとし、そして椎名の私生活は破綻しまくっている。団塊の世代の代表でもある彼らにとって、家族ってなんだ。

コメント
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