hiyamizu's blog

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香山リカ『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』を読む

2014年07月27日 | 読書2
香山リカ著『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』(朝日新書464、2014年6月朝日新聞出版発行)を読んだ。

宣伝は、
ツイッター、フェイスブック、LINE……。今やSNSは生活に深く浸透しているが、それに息苦しさを感じている人も多い。ネット上でのつながり、賞賛やその反対にある悪意や炎上。SNSへの違和感の正体と、SNSが変えつつある人間について鋭く迫る。


序章
・・・「絆」が強調され、「つながり」のメディアが生まれれば生まれるほど、他者の気持ちをいっさい慮らず、「私がこう言ったり行動したら、他の人たちはどう思うか」という想像ができない人たちがふえているようなのだ。
・・・診察室に来る人の多くは濃密すぎる人との関係や家族からの過剰な介入、支配がストレスとなってうつ病や摂食障害を発症させるのだ。

こんな調子で、1章では、SNSがストレス解消どころか新たなストレスになっていると、報道事件、診察例をあげて説明する。
2章では、ネットでは匿名性や、自分で自分をだまし易いため、より過激になりやすい、といった話が続く。

後半は、ネットでぼろ糞に言われることが多い著者が、思い切りネトウヨ(ネット右翼)批判する。
ネトウヨは情報の入手先が極端に限れれていて思い込みが強くなる。

2チャンネルで10年前に多く流れた句(?)
イラク人質 叩いた僕は 自分で自分を 監禁中
他人に説教 している僕は 自動車教習 一回怒られ 不登校
ネットじゃ強気で 威張る僕 面接とかでは いつもオドオド

SNSは日本人をどう変えるか?
「感動した」「いいね!」が感染症のように広がる社会。
文章はどんどん圧縮されて短くなり、
さらには言葉ではなく、スタンプや画像でやり取りをする。
果たしてSNSでつながることで、
コミュニケーションが深まっていると言えるのか?
それとも私たちは何かをなくしつつあるのか?

文章だけでなく、思考もスカスカになっていく
「新譜を購入」と書いて、感想を書かない。(つんく♂)
エッセイストの酒井順子氏は、「みっちり世代とスカスカ世代」というタイトルのエッセイで、・・・「紙に書く世代」はどうしても・・・「みっちり書きたくなる」。・・・「ネット世代」は、かえって文字をみっちり詰めたら読みにくくなってしまいます。だからこその改行につぐ改行、行間は空け放題、ということなのでしょう。


私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

いつもの香山流の本で、話題の事件などを交えながら、SNSという新しい話題を簡単に読めるように書いている。ほぼ同世代の(20歳ほど離れてはいるが)私としては特に異論はないのだが、びっくりするような話もない。若い人の行動をざっと俯瞰するには適当な本だ。

このブログもみっちり。どうしても書き過ぎてしまう。しかし、もともとより多くの人に読んでもらおうという気はなく、主目的が自分のメモとして書いているので、なるべく情報を多くと、書き過ぎてしまう。確かに文字が多いと見にくいし、私自身、後から必要があって、著者名や署名で検索しても、丁寧に一字一句読みはしない。
でも、短く分かりやすくし、写真など入れて閲覧数を上げても、何の意味があるのだろうか。そもそも、「〇〇なう」と写真だけのブログを見ても伝えたいものがないのだなと思うだけだ。
ともかく、自分のやりたいようにするのが一番だ。ということで、今後も文章はみっちり。ときどきの日記(レストランなどの記録)はほぼ写真だけであっさり。


それにしても、安倍首相に「香山氏(?)は論外」と決めつけられた恨みは大きく、この本でも安倍さんは香山さんにボロクソに言われている。内容について私には異論はないが、半分は個人的恨み(?)なのに、そんなもの読まされるのはたまらん

悪乗りして言うと、安倍晴明という陰陽師がいたが、安倍首相の先祖の一つにあたるらしい。
平成22年(2010年)には、安倍氏と関わりがあるとされる安倍晋三が「第90代内閣総理大臣 安倍晋三」名義で石塔を寄進している。(安倍清明が修行したという安倍文殊院に関するウィキペディア情報)
晴明は1005年に亡くなり、「私は1000年後にまたこの世に蘇る」と言ったということで、2005年安倍晴明、一千年期の祭典が行われた。2005年と言えば、安倍晋三氏が第3次小泉改造内閣で内閣官房長官として初入閣した年だ。これって怨念??


香山リカ(かやま・りか)
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。
学生時代から雑誌などに寄稿。その後も、臨床経験を生かして、新聞、雑誌などの各メディアで、社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍。本名中塚尚子で、パートナーはプロレスジャーナリストの斎藤文彦らしい。
『おとなの男の心理学』『<雅子さま>はあなたと一緒に泣いている』『雅子さまと新型うつ』『女はみんな『うつ』になる』『精神科医ですがわりと人間が苦手です』『親子という病』『弱い自分を好きになる本』『いまどきの常識』『しがみつかない生き方』『だましだまし生きるのも悪くない』『人生の法則』『できることを少しずつ』『若者のホンネ』『新型出生前診断と「命の選択」』
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