hiyamizu's blog

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森絵都『カラフル』を読む

2024年08月06日 | 読書2

 

森絵都著『カラフル』(2011年11月11日講談社発行)を読んだ。

 

クレヨンハウスの内容紹介

死んで魂になったぼくは天使業界の抽選に当たり、自殺した少年の人生をやり直すチャンスをもらう。しかし、平穏に見えた新しい人生は、最悪なことばかり。
デビュー20周年、新しくて、温かい、もう一度読み返したい作品。

 

ヤングアダルト小説の代表作。

 

一度死んだ「ぼく」は、天使のプラプラに「おめでとうございます、抽選にあたりました!」と言われる。自分でも何か覚えていないのだが「前世の過ちを償う」ために下界で誰かの体に乗り移って過ごす「ホームステイの修行」を行うことになる。
「ぼく」の魂は「小林真」という中学3年生の少年に乗り移り、修行が始まった。

 

小林真は自殺し、死亡宣告された直後に生き返り、家族は驚喜する。しかし、天使からは、父親は会社の上司が逮捕され上が空いて喜び、母親は不倫していて、兄は意地悪く、真は学校でいじめられていると知らされた。「ぼく」は真の両親に反抗的となり、家を出たが、不良少年に襲われ重傷を負い、お気に入りのスニーカーを奪われてしまう。

 

回復後、「ぼく」は学校で早乙女と友人となり、父と釣りに行って色々話し、真の家族との関係は改善する。
家族の真への愛情を知った「ぼく」は、プラプラに「真の魂を真の体に返してやりたい」と相談する。

 

 

本書は、1998年7月に理論社から刊行された『カラフル』を加筆修正したもの。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

齢81にして、自分では若いと思っていても、さすがに中学生の気持ちにはなり難く、文体、内容ともに、そら事として身を入れて読んでない自分がいた。

 

しかし、ときどきある話ではあるが、他人の身体に魂として入り込むという前提は、「真」と「ぼく」を分離する必要があり、話を面白くしている。また、家族や同級生の表面的な感情、その奥の気持ちなど丁寧に描けてはいる。

 

 

天使のプラプラのこの言葉がいいね!
「そう、あなたはまたしばらくのあいだ下界ですごして、そして再びここへもどってくる。せいぜい数十年の人生です。少し長めのホームステイがまたはじまるのだと気楽に考えればいい」

 

森絵都の略歴と既読本リスト

 

 

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