ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

天主の聖堂 天主閣

2012-01-28 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「簡単に」さっき抜けなかったのに「抜けた…」帯に隙間が出来て、呼吸が楽になった。
義経「刀抜く時は力抜け…鉄則だ」与一の、菊一文字紋を見て「力入れ過ぎなんだよ」
能子「力を入れていないと、立てません」
義経「だから、痙攣起こす」
能子「…天は、」ロザリオを見つめ、それをギュッと握って「なぜ、私を生かしたのでしょう」
義経「お前の舞が見たいってさ」っと懐剣を脇に差し…「神さんがそう言ってんだろ
能子「私には、そのような声…聞こえません」
義経「俺にも聞こえねぇよ。俺が、そう思ってるだけだ」
能子「では、私を救った神は、」ロザリオを兄に突き出し「今、どこにいるのでしょう」
義経「…目を閉じろ。いいか?天上に白い城がある、そこに入ると真っ赤な絨毯が敷いてあって、それに沿って奥へ行くと、お堂がある。そこに天主がいる」
能子「それは、」ゆっくり目を開け、兄に突き出したロザリオを胸に戻し「本当のお話ですか?」
義経「だったら、いいなって話で、夢の話だ」
能子「では、その夢に、私をお入れて下さい」
義経「人の夢ン中で、どうすんだ?」
能子「その天主のお堂で、舞います」
義経「天女も、仰天だ…」
能子「夢の城…あれば良いですね」
義経「夢ってのは元々在るもんじゃねぇ、叶えるもんだ」
能子「兄様は、その夢、叶えるのですか?」
義経「…。日ノ本のど真ん中に聖堂を作って、お前が舞う。そんな夢…」
能子「その聖堂を堺の港町が一望出来る高台に建てましょう。白い城の、その頂に、海を渡る者達の目印にと、これを飾るのです」ロザリオを顔の近くまで寄せて、はにかんだ。
義経「あぁ、…それまで、」
能子「祈ります」
義経「俺は、お前の舞が見たいと言ったんだ」
能子「…」
義経「返事がねぇぞ」
能子「その夢を叶えたら、私の夢を叶えて下さいますか?」
義経「あん?」