ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

景教とロザリオ

2012-01-26 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
厠(かわや・トイレ)から出て、義隆「ねぇちゃん、あれッ」部屋の一室に灯りが付いていた。
こそ…こそこそ…、大荷物の中から、ジャラジャラと二本の、
斉藤「んだ、これ?…っと、びっくり」後ろに、
義経「窃盗団にでも入ったのか?」
斎藤「そんな割に合わない仕事はしませんよ」
義経「婚活が割に合うとは思えん」チラッ、眠る女の子を見て、ヤツの手の内を見た。
斎藤「これ…」繁々と、手の中の二本のネックレスを見て「…何です?」
義経「お前には、無縁の物だ」
斎藤「お仲間に、それはツレないね…」ポイッ、お姫様の方に投げた。ネックレスが曲線を描き、一本は、ポフッとお姫様の布団の上、二本目は、ガシャッ、ジャラジャ…、
大きな音を立て落ちて、入り口の縁に滑った。
義経「仲間…?」すると、パチッと目が開き、灯火の眩しさに目をこすって、
珠「うぅ…ん」珠ちゃんが起きた。布団の上のネックレスを手に取って「わぁ♪きれいッ」
斎藤「ごめんごめん、起こしちゃった」
義経「珠ちゃん…」
斎藤「おやゆび姫に、お似合いだよ」と、それを首に掛けた。
珠「もらっていい?」風船のおじさんを見て、
斎藤「さぁ…、て」お姫様の頭を撫で「退散すっかな。白雪姫と小人が嗅ぎ付けて来た…」
義隆「お前ッ」、能子「待ちなさいッ、斎ッ」コツン「…と?」足先に…これは、
斎藤「白雪姫にもお似合いですよ。じゃ…池田に、よろしくッ」縁側から外に出た。
義経「ちょっと待て、池田に…」縁側から暗闇に消えた奴を目で追って「…よろしく…?」
珠「ねぇ…もらっていい?欲しいな」首に下がるネックレスを見て、俺を見た。
義経「あぁ。いいよ、似合ってる」
珠「ありがとぉ」何が起こったか、まだ分からないようで、安心した。
義経「それな、この国の、空と海の向こうに天の主様が居て、愛(めぐみ)を与えるって、」
珠「天の主様?」十字架を灯火に照らし、中央のキラッと輝く赤玉に、目を輝かせた。
義経「そういう伝説があるんだ…」イエスの再来、日ノ本を変える。
厩戸(うまやど)で産まれた皇子、聖徳太子の寵臣 秦河勝(はたのかわかつ)氏が日本に持ち込んだとされる景(キリスト)教と「それ、Rosário(ロサリオ)って言うんだ」
※16世紀(1549年)フランシスコ・ザビエルが日本に来航し、キリスト教を”普及”させます。