ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

コロコロッ

2011-10-09 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
それじゃ、命が可愛そうですね、と言ったら、
「私の命は、そんなヤワじゃないわッ」プイッと。あぁあ…不貞腐れてしまった。
しかし、命を捨てようとした平家の、貴女の台詞じゃない。
クス…、
可愛いらしいですね、と言ったら、
「年上の女性に対する言葉じゃないわッ」女性に対する礼儀を注意された。
ただ、それも可笑しい。貴女らしくない。
すみません、年上の、可愛い女性に接した事がなく、正直に申し上げてしまいました、と頭を下げたら、コロコロッ、笑ってくれた。
へぇ…意外。気位の高い公家や平家の貴女って、扇で口元を隠して「オホホ」って、
決して腹から笑わないと思っていた。でも、彼女は違っていた。
コロコロッ
義経さんが人前で白い歯を見せて大笑い、宮中じゃ出っ歯で猿と噂されてたっけ。
ふぅ…ん、義経さんと同じように、本当に楽しそうに笑ってくれるんだ。
捕虜のお目付け役に抜擢されて初めて聞いた、貴女の笑い声、
コロコロッ
義経さんの妹だから、捕虜で可哀そうだから、宮中に戻りなくないと言ったから…じゃない。
結婚を申し込んだ理由は、
コロコロッ
そういう貴女だから、分も弁えず…好きになった。
“それなら結婚しましょ”
もちろん、義経さんに反対された。政局が安定した頃を見計らい、
「いずれ、アイツを(宮中に)戻す」
そのタイミングを図っていた。
平家と敵対する後白河上皇に政権が移った今、彼女は政略結婚、子が生まれたら政に利用される。それに、鎌倉(頼朝)殿が政権交代を狙っている。そんな中、義経さんの妹を嫁に持つ事は「ダメだ」タイミングが悪過ぎる。
ちょうど、繭子さんとの婚姻が打診されている時でもあった。
これが、平家方からの跡目相続…そういう婚姻の申し入れなのか、それとも、繭子さんの兄で源氏方に付いた平 時信様からの、鎌倉(頼朝)殿からの要請なのか判断付かず…、