斯波「おっ」と、そこへ「ヒーロー見参ってか?」
兼雅「君…が」WANTED(お尋ね人)用紙の似顔を思い出して「…そうなのか?」
池田「花山院 藤原兼雅(かねまさ)…、様」
兼雅「…様を取って付けるのも失敬だな。ま…私を知るなら話は早い。彼女を返してもらう」
池田「裏に回り、彼女を連れて行くのは、どうかと思います」
兼雅「では、正門に軍を並べてお迎えに上がれば良かったかな?」チラッと彼女を見た。
能子「そ…」そんな…、池田「朝廷が、彼女にこだわる理由は何ですか?」
兼雅「後白河上皇がお倒れになったというのは?」
池田「先ほど、知りました」
兼雅「なら…、」
池田「第二の安徳天皇をお探しですか?」
兼雅「彼女の恵まれた“その血”と繋がりを政に生かそうとして何が悪い」
能子「恵…まれ、てる…?」私の血が?
カッと来て、すかさずッ、パッ、パーンッ
兼雅「ッ!?」
愛「男の風上にも置けないわッ」往復ビンタでひるんだ隙に、彼女と僕ちゃんを救い出し、
斯波「愛(めぐ)、ナイスッ」親指突き出し、Goodなポーズで褒めた。
兼雅「ッ…」頬を撫でて「どこにでも、似たのがいるもんだな」キッと小娘を睨んで、
愛「え?」グイッ、腕を引いて、
能子「す…」その子を後ろに下げて「すみません。この者たちは何も知らず、お咎めは…」
兼雅「女に…」頬を撫でて「殴られた等と報告出来るか。とにかく、一晩よく考えろ。どこで暮らせば幸せか」
義隆「幸せって、笑う事だッ」
兼雅「子供は黙って寝ろ。夢見る時間だ。大人になればイヤと言う夢から醒めた現実を見る」
恋や愛、幸せなど…だだの戯言。子は血のため、身分のために繋がり合う。それが、婚姻。
この身分のため、何人もの側室を持たされる。しかし、そこに愛などない。それが、現実。
「夢見がちなおこちゃまには、分からない世界だろうな…」
本当に愛した者と結ばれるのは、ごく限られた、恵まれた身分の者だけ。
自由な恋愛など許されない。愛するだけ…無駄だった。
この身分ゆえに、婚姻すら上から決められる。もちろん、生まれた子も同じレール上にある。
兼雅「君…が」WANTED(お尋ね人)用紙の似顔を思い出して「…そうなのか?」
池田「花山院 藤原兼雅(かねまさ)…、様」
兼雅「…様を取って付けるのも失敬だな。ま…私を知るなら話は早い。彼女を返してもらう」
池田「裏に回り、彼女を連れて行くのは、どうかと思います」
兼雅「では、正門に軍を並べてお迎えに上がれば良かったかな?」チラッと彼女を見た。
能子「そ…」そんな…、池田「朝廷が、彼女にこだわる理由は何ですか?」
兼雅「後白河上皇がお倒れになったというのは?」
池田「先ほど、知りました」
兼雅「なら…、」
池田「第二の安徳天皇をお探しですか?」
兼雅「彼女の恵まれた“その血”と繋がりを政に生かそうとして何が悪い」
能子「恵…まれ、てる…?」私の血が?
カッと来て、すかさずッ、パッ、パーンッ
兼雅「ッ!?」
愛「男の風上にも置けないわッ」往復ビンタでひるんだ隙に、彼女と僕ちゃんを救い出し、
斯波「愛(めぐ)、ナイスッ」親指突き出し、Goodなポーズで褒めた。
兼雅「ッ…」頬を撫でて「どこにでも、似たのがいるもんだな」キッと小娘を睨んで、
愛「え?」グイッ、腕を引いて、
能子「す…」その子を後ろに下げて「すみません。この者たちは何も知らず、お咎めは…」
兼雅「女に…」頬を撫でて「殴られた等と報告出来るか。とにかく、一晩よく考えろ。どこで暮らせば幸せか」
義隆「幸せって、笑う事だッ」
兼雅「子供は黙って寝ろ。夢見る時間だ。大人になればイヤと言う夢から醒めた現実を見る」
恋や愛、幸せなど…だだの戯言。子は血のため、身分のために繋がり合う。それが、婚姻。
この身分のため、何人もの側室を持たされる。しかし、そこに愛などない。それが、現実。
「夢見がちなおこちゃまには、分からない世界だろうな…」
本当に愛した者と結ばれるのは、ごく限られた、恵まれた身分の者だけ。
自由な恋愛など許されない。愛するだけ…無駄だった。
この身分ゆえに、婚姻すら上から決められる。もちろん、生まれた子も同じレール上にある。