奇跡への絆

図師ひろき

親父の背中に語りかけるより…

2014年12月23日 22時52分52秒 | Weblog

先日、テレビで『プリンセス・トヨトミ』という映画をやっていました。

帰宅してテレビをつけたときには、もう番組は始まっていて、デスクワークもあったので、夕食をしながらかきこむ間だけ観ていたので、全体のストーリーは分かりませんでしたが…

徳川幕府によって滅ぼされたはずの豊臣家の末裔が現代に生きながらえていて、それん大阪府民全体で守っている…

というような場面を観ている時に、ドキッとする台詞に出会いました…

大阪府民にとって、豊臣家の末裔を守っているという秘め事は、代々父親から息子に継がれるもので、父親が自らの死期を悟ったときに初めて伝えられるという設定でした。

その場面に出てきた台詞に

『…父親と二人きりで1時間語り合ったことがあるか…』

というものがありました。

…箸が止まりました。

“私自身、物心ついてから、親父と二人で1時間も語ったことがあっただろうか…”

私が小中高校の頃の親父は、仕事だけの人で、休日でも家にはいませんでした。

大学進学の相談をするときも

「福祉は、時間と金がある人間がすることだ」

とばっさり。

それでも私は、親父の賛同を得ないまま受験をし、東北に行くことを決めたのでした。

卒業後、県内に戻り、ソーシャルワーカーとして働くようになり、再び実家での生活が始まりました。

それでもゆっくり親父とゆっくり話すことはなく…

30歳を前に、医療福祉の現場を変革したいと議員に立候補することを相談をした時も、親父は黙って背を向けたまま何も言いませんでした…

それでも、いざ選挙戦に突入すると誰よりも頭を下げ、汗を流してくれたのも親父でした。

あれから16年が過ぎようとしています…

その間にもいくつかの人生の転機はありましたが、やはり親父とは語り合うことなく、ここまで来ました…

来春、再び人生の節目を迎えます。

その前に、親父とゆっくり語り合うことがあるかは分かりません…

でも、親父へ、そして家族への感謝の気持ちはしっかり伝えようと思います。

あなたは、お父さんとゆっくり語り合っていますか?