563勝564敗・・・
何の数字でしょう??
そうです!“幕下陥落なら引退”を公言して、十両でも負け越して陥落が決定的となった、その場所で潔く引退した「高見盛」さんの生涯成績です。
数字では、確かに1つ負け越しています。
でもそんな高見盛さんへ最高の賞賛が送られています。
それはテレビコマーシャルの中でです。
皆さんもご覧になったことがあると思います。
缶コーヒーのコマーシャルで、高見盛さんも出演されています。
コマーシャルはこう始まります・・・
「この惑星の住人は、誰もが勝利者になれるわけではない・・・」
そして
「ただ・・・」
と続きます。
「この惑星には、愛されるという勝ち方もある。」
このコマーシャルが大好きです。
高見盛さん愚直さと、ナレーションの台詞が完璧にマッチしていると思います。
ロボットのような動きで気合を入れ、どう見てもガチガチに緊張している立ち合い・・・
そしてあとは猪突猛進の攻め、攻め、攻め!
あまりにも直線的な取り組みは、ガチンコになれば強いものの、いなされてしまうといとも簡単に転がってしまします・・・
高見盛さんは本気で悔しがっているのに、観客席には笑顔が・・・
それは失笑ではなく、 一生懸命の人だけに贈られる賞賛の笑顔です。
その証拠に負け越して引退する高見盛さんには、観客席から泣きながらの拍手が送られています。
高見盛さんは、間違いなく勝利者です!
ここ一番の勝負強さを見せつけ“愛されるという勝利者”の代表者でもある“長嶋茂雄”さんとは違った、趣が高見盛さんにはあります。
まさに記録よりも、記憶に残る力士です!
何よりこのコマーシャルのハイライトは、最後の字幕だと思います・・・
“このろくでもない。素晴らしい世界”
この言葉は“殺伐としたニュースが蔓延しているろくでもない社会でも、ただひたすらに頑張ることによって、人々に感動を与える人もいる素晴らしい世界”の略ではないでしょうか・・・
これから諦めそうになったときには、このコマーシャルを思い出すようにします。