奇跡への絆

図師ひろき

勝ち方

2013年04月20日 23時17分00秒 | Weblog

 563勝564敗・・・

 何の数字でしょう??

 そうです!“幕下陥落なら引退”を公言して、十両でも負け越して陥落が決定的となった、その場所で潔く引退した「高見盛」さんの生涯成績です。

 数字では、確かに1つ負け越しています。

 でもそんな高見盛さんへ最高の賞賛が送られています。

 それはテレビコマーシャルの中でです。

 皆さんもご覧になったことがあると思います。

 缶コーヒーのコマーシャルで、高見盛さんも出演されています。

 コマーシャルはこう始まります・・・

 「この惑星の住人は、誰もが勝利者になれるわけではない・・・」

 そして

 「ただ・・・」

 と続きます。

 「この惑星には、愛されるという勝ち方もある。」

 このコマーシャルが大好きです。

 高見盛さん愚直さと、ナレーションの台詞が完璧にマッチしていると思います。

 ロボットのような動きで気合を入れ、どう見てもガチガチに緊張している立ち合い・・・

 そしてあとは猪突猛進の攻め、攻め、攻め!

 あまりにも直線的な取り組みは、ガチンコになれば強いものの、いなされてしまうといとも簡単に転がってしまします・・・

 高見盛さんは本気で悔しがっているのに、観客席には笑顔が・・・

 それは失笑ではなく、 一生懸命の人だけに贈られる賞賛の笑顔です。

 その証拠に負け越して引退する高見盛さんには、観客席から泣きながらの拍手が送られています。

 高見盛さんは、間違いなく勝利者です!

 ここ一番の勝負強さを見せつけ“愛されるという勝利者”の代表者でもある“長嶋茂雄”さんとは違った、趣が高見盛さんにはあります。

 まさに記録よりも、記憶に残る力士です!

 何よりこのコマーシャルのハイライトは、最後の字幕だと思います・・・

 “このろくでもない。素晴らしい世界”

 この言葉は“殺伐としたニュースが蔓延しているろくでもない社会でも、ただひたすらに頑張ることによって、人々に感動を与える人もいる素晴らしい世界”の略ではないでしょうか・・・

 これから諦めそうになったときには、このコマーシャルを思い出すようにします。