奇跡への絆

図師ひろき

雑感500

2013年04月19日 23時00分53秒 | Weblog

 昨日のブログタイトルを不思議に思った方もいらっしゃると思います。

 “踊り場からの前進”

 それは・・・

 精神看護の授業で出てくるキーワードなんです。

 人は発達段階において、クリアしなけければ課題に直面します。

 自我が芽生え始めると、親との個体分離のため“第1反抗期”という形で感情衝突があることがなどがそれにあたり、それぞれのライフステージに向かい合うべき課題が訪れます。

 その課題があることは当然のことであり、その時々の対応によって人格や価値観が構築されていくことになります。

 特に青年期においては、自我同一性の確立が課題であり、“自分はどういう人間なのか”“自分は何のために生きているのか”“これからどう生きていくのか”などの葛藤と向き合うことになります。

 この期間は、その後の人間形成に大きく影響を与えることから、課題の克服には家族や友達、その人が置かれている環境との関係性がとても重要になってきます。

 自分と向き合い、自分の適性を見極め、社会へと踏み出していくまでの猶予期間のことを“モラトリアム”と表現することがあります。

 私は、精神看護の授業中に

 「みんなはまさに今、“モラトリアム”から一歩踏み出そうとしています。」

 と語りかけます。

 「モラトリアムとは、学校の一階から二階に上がる階段を想像してください・・・途中まで来ると方向を変えるための踊り場があるでしょう・・・そこが人生のモラトリアムです。

 その踊り場で足踏みをしながら、自分と向き合い、自分はどんな人間なのかと自問自答し、苦しみます・・・

 その苦しみこそが、成長です。

 そして新たな一歩を踏み出していくのです。

 自分から目を逸らし、自分とは・・・との答えにたどり着けず、ニートやフリーターで時間ばかりが過ぎていく人もいます・・・

 みんなは今、この教室にいます。

 まさに踊り場から一歩前進した証です。

 人の命に寄り添う尊い仕事を選んだみんなは素晴らしい。

 これからの道のりも決して楽なものではないけど、自分の決めた道を自信をもって進んで行って欲しい。

 私もしっかり応援します!」

 約束をしたからには、授業できれいごとばかり語っているだけではなく、仕事でしっかり結果を出していかなければなりません。

 そのためにも私自身、現状にあまんぜず、常に踏み出す勇気をもって、学生を失望させないためにもしっかり働きます!