昨日の続きです。
毎日新聞の社会面には大きく“老いて、さまよう”が取り上げられていました。
サブタイトルは“敬遠される男性”でした。
記事の内容は、腕力が強く、女性より体の大きい男性はオムツ替えの負担が重く、車いすに乗せる際の事故も起こりやすいことから、受け入れ施設から断られるケースが多いというものでした。
ある施設では、入所者のうち男性の比率を1割程度に抑えているところがあったり、男性でも身長160cm体重50㎏以下の方なら好まれている現状などが紹介されていました。
女性の場合でも、100㎏を超えている方が、減量の後の老人保健施設に受け入れてもらえたケースもあるとのこと・・・
いくらプロとはいえ身体介護が長期化すると、介護する側の腰痛などの原因となります。
私も医療現場にいるときに
「介護は、腰を痛めてからが一人前」
と理解に苦しむ言葉を聞かされたことがありますが、それ程過酷な業務をこなさなければならない状況があることを知りました。
“飽食の時代”とも言われる現代にあって、メタボや肥満は深刻な社会問題の1つであることは周知の事実です。
その状況が改善されないまま、高齢化が進んでいけば、今まで以上に介護する側の身体的負担が大きくなることも明らかで、毎日新聞の記事は現在介護を必要とされている方々にスポットをあてつつも、これから介護が必要となるであろう団塊の世代にも警鐘を鳴らす内容に映りました。
記事のように、男性を敬遠する施設が増えれば、昨日の記事のように受け入れてもらえる施設を転々としなけらばならない高齢者とそれを支える家族が増えることにもなります。
さらには腰を痛めて当たり前のような厳しい現場に、進んで就労したがる若者が増えるはずもなく、今後ますます看護・介護関係職の人材確保が困難となることも容易に想像できます。
現在の介護保険制度は、介護予防事業も展開しているはずです・・・
そして老いて、安心して在宅で暮らせるためのサービスを提供するために高額な介護保険料を徴収しているはずです・・・
さらに消費税が増額となります。
物価を引き上げることも大切なのでしょうが、今ある財源をいかに配分するかをもっと真剣に論議すべき時代です!