奇跡への絆

図師ひろき

雑感485

2013年04月01日 22時32分08秒 | Weblog

 エイプリルフールですね。

 今までどんな嘘をついてきましたか?

 私は一度も嘘をついたことがありません。

 これもエイプリルフールということで・・・

 4月1日の嘘ではないのですが、私は以前嘘をつき、ある女性をひどく傷つけてしまったことがあります・・・

 その女性とは・・・おふくろです・・・

 私が小学1年生の時のある日、雨でした。

 私は自分の名前を書いた真新しい傘をさして登校しました。

 学校が終わり、帰ろうとして傘立てで自分の傘を探しましたが、見つかりません・・・

 まだ新しい傘で、失くしたら親から叱られると思い、一生懸命探しました・・・

 それでも見つかりませんでした・・・

 その時、一本の傘が残っているのが目に入りました。

 たぶん教室には誰もいなかったので、先に帰った人が私の傘と間違えて持って帰り、その人の傘が残っているのだと思いました。

 雨は降っていませんでしたが、傘を持たずに帰ることがとても怖かった私は、その傘を持って帰ることにしました・・・

 家に帰ってた時は、親はまだ帰っていなかったので少しホッとしましたが、おふくろが帰ってきて開口一番

 「こん傘は誰のね!!」

 「僕の・・・」

 「嘘つきない!あんたの名前もないし、だいたい色も違うがね!」

 私は、ことのいきさつを話し、理解を求めましたが

 「あんたなん勝手なこと言っちょっとね!これは人の傘やろ!あんたは泥棒よ!今すぐ返してきない!」

 「誰に返せばいいと・・・」

 「もとあったところに返してくればいいとよ!」

 外はすでに薄暗かったのですが、容赦なく放り出され、学校まで傘を返しに行かされました。

 たぶん歩きながら泣いていたと思います・・・

 それは暗かったのが怖かったのではなくて、おふくろに嘘をつき怒らしてしまったことへの後悔だったと思います。

 家に帰ると、ご飯ができていて、無言のまま食べて、そそくさと寝ました・・・

 次の日、学校に行って昼休みに傘立てを探してみましたが、やっぱり傘は見つかりませんでした・・・

 学校が終わってトボトボと家に帰り、またおふくろに怒られるのかと思いきや、仕事から帰ってきたおふくろの手には新しい傘が・・・

 「今度は失くさんようにせんとね。」

 「ありがとう、お母さん!」

 暗闇に放り出して心配してくれてたのもおふくろでした。

 嘘にまつわる思い出でした。