『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Remembrance of Aeneis] Ⅳ To founding land of nation  『建国の地へ』 第2章  プトロトウムにて  48

2020-03-11 10:36:24 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアス暦8月13日、出航を控えた停留の浜の朝が明ける。
 船団の者らが一斉に起きてくる、朝行事をする、一同の面持ちが出航を控えて緊張している。
 イリオネス、パリヌルスらがアエネアスを囲んで浜に立つ、空模様と風を読む、今日の出航を危ぶむ、イリオネスが各船の責任者である彼らに告げる。
 『昼頃になって状況をみないと解らないが、今日の出航はないと考えられる。待つ風は、南からの風である。それを待つ!以上だ』
 その言葉を聞き終えて、一同が各船に戻って行く、その旨を船上の一同に伝える。
 朝食を終えたイリオネスが各船を見て廻る、各船の責任者らと言葉を交わす。
 『おう、このままでは、今日一日が長いぞ!久しぶりだ、武闘の訓練をしろ!』
 『それイイですね!久しくやっていません、やりますやります。者どものその感覚がにぶっているかもです。やります!』
 彼らは午前の時いっぱい、武闘の訓練をやる、彼らは、武闘の心機、対手との討ち合い感覚をとり戻している。
 汗ばんだ身体を海で洗い流す、昼食の時を過ごす、肌を撫でて過ぎる風は北からの風である、彼らは午後も武闘の訓練で過ごす。
 出航予定の一日目が暮れていく。
 二日目の朝を迎える、朝凪の時が過ぎる、微風が南から来ている。
 午前半ばになって、イリオネスが浜に立つ、各船の責任担当らが彼を囲む、アエネアスが来る。
 『おう、軍団長!』
 『あっ!統領!』
 『今日の具合はどうだ?』
 『統領、具合の如何んを問うことはありません。今日、早めに昼食済ませて午後には出航しましょう』
 『これで決まりだな。航走要領を一同と打ち合わせてくれ。出航する!アエネアス暦8月14日、プトロトウムを出航する!』
 『了解しました。ぺリオス領主に連絡します』
 『おう、連絡してくれ!この頃合いだ、港の幕舎にいると思う』
 イリオネスは、パリヌルスにぺリオス領主への連絡を用命する、オロンテスは昼食の準備を整える、停留の浜は、一瞬にして緊張状態となる。
 パリヌルスが連絡を終えて戻ってくる、ぺリオス領主には港の幕舎にて出航の旨を伝えたことを報告する。
 南からの風が強さを増してきている、出航の好条件である。
 ぺリオスがアンドロマケをともなって姿を見せる、アエネアスがぺリオス夫妻に別れを告げる、二番船に乗る。
 イリオネスが各船の状態を確認して一番船に乗る、出航の令を下す各船の櫂が海を泡立てる、一番船が浜を離れる、船上のイリオネスがぺリオス夫妻にむけて手を振る、二番船が出る、アエネアスが手を振る、三番船、四番船と続いて浜を離れる、ぺリオス夫妻、港湾担当の者らが手を振る。
 船団は、航跡を引いてプトロトウムの浜を港をあとにする、北に向けて波を割る。
 いい風が来る、船団は帆張りする、風をはらむ、順風満帆で今日の寄港地ケラニアに向かって快走した。


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