パノルモスの浜を出て1時間、左手にレテムノンの集落を眺めながらヘルメスは西へとひたすらに進んでいる。洋上を吹きすぎていく風は、そよ風である、風にヘルメスを押し進める力をのぞむ事は出来なかった。
アヱネアスら三人も漕ぎ座について櫂を握る。ギアスの講釈を思い起こして櫂操作をした。
陽射しは強い、身体を動かす、爽快の汗を流す、時は流れて過ぎていく。スダヌスが声をあげた。
『まあ~、向かい風でないことを喜ぼう。何事もポセイドンに感謝だ』
彼はそのように言って太陽を仰ぎ見た。時を計った。ヘルメスの進行方向に目を移す、右手前方に岬半島が迫ってきていた。
独り言ちる。『お~お、スオダが近い、オラが浜が近い。結構結構!』
スオダの浜への入り江口が見えてきた。
『おう、ヨッシャ、ヨッシャ!ギアス、操舵を代わる!』と言ってカジテスと交替した。
ヘルメスは入り江の洋上を進み、スオダの浜に無事についた。
スダヌスが飛び降りる。勝手知ったる俺が浜である。誰よりも先に浜に立ち、艇上の一同を迎えた。
『ややっ!ご一同、ご苦労ご苦労。ようこそ、俺が浜においで下さった』
彼は嬉しそうに歓迎の言葉をかけた。この言葉を耳にして一同は表情をほころばせて、航海の無事を喜び合った。
『さあ~さ、身体の力みをほどいてくつろいでください。浜小屋の方へ参りましょう』
スダヌスは、アヱネアスとイリオネスの先を歩んでいく、ギアスはヘルメスを浜へ揚げた。
ギアスは、パノルモスからスオダまでの5時間を休むことなく漕ぎ続けてくれた一同の労をねぎらった。
『諸君、ご苦労であった。ここまでの長距離を休まずに漕いでくれたことに礼を言う。ありがとう。時間は長くはないが休もう。残るは、ニューキドニアの我らが浜までの行程である。無事に乗り切ろう!』
話し終えてギアスは、カジテスに声をかけた。
『カジテス、ちょっと聞くが、パンの方はどれくらい残っている?』
『はい、2食分は充分にあると思いますが』
『そうか、いけるな』彼はうなずいた。
浜小屋の方から、イデオスが走ってくる。
『ギアスさん、皆さん!浜小屋の方へおいでください。皆で昼食を食べようということです』
イデオスは、一同に対して、すっかり友達気分で話しかけてきた。
『おう、そうか。それはうれしいことだ。イデオス、遠慮せずに馳走になる。おう、皆、行こう』
一同は浜小屋に向かって歩みだした。
アヱネアスら三人も漕ぎ座について櫂を握る。ギアスの講釈を思い起こして櫂操作をした。
陽射しは強い、身体を動かす、爽快の汗を流す、時は流れて過ぎていく。スダヌスが声をあげた。
『まあ~、向かい風でないことを喜ぼう。何事もポセイドンに感謝だ』
彼はそのように言って太陽を仰ぎ見た。時を計った。ヘルメスの進行方向に目を移す、右手前方に岬半島が迫ってきていた。
独り言ちる。『お~お、スオダが近い、オラが浜が近い。結構結構!』
スオダの浜への入り江口が見えてきた。
『おう、ヨッシャ、ヨッシャ!ギアス、操舵を代わる!』と言ってカジテスと交替した。
ヘルメスは入り江の洋上を進み、スオダの浜に無事についた。
スダヌスが飛び降りる。勝手知ったる俺が浜である。誰よりも先に浜に立ち、艇上の一同を迎えた。
『ややっ!ご一同、ご苦労ご苦労。ようこそ、俺が浜においで下さった』
彼は嬉しそうに歓迎の言葉をかけた。この言葉を耳にして一同は表情をほころばせて、航海の無事を喜び合った。
『さあ~さ、身体の力みをほどいてくつろいでください。浜小屋の方へ参りましょう』
スダヌスは、アヱネアスとイリオネスの先を歩んでいく、ギアスはヘルメスを浜へ揚げた。
ギアスは、パノルモスからスオダまでの5時間を休むことなく漕ぎ続けてくれた一同の労をねぎらった。
『諸君、ご苦労であった。ここまでの長距離を休まずに漕いでくれたことに礼を言う。ありがとう。時間は長くはないが休もう。残るは、ニューキドニアの我らが浜までの行程である。無事に乗り切ろう!』
話し終えてギアスは、カジテスに声をかけた。
『カジテス、ちょっと聞くが、パンの方はどれくらい残っている?』
『はい、2食分は充分にあると思いますが』
『そうか、いけるな』彼はうなずいた。
浜小屋の方から、イデオスが走ってくる。
『ギアスさん、皆さん!浜小屋の方へおいでください。皆で昼食を食べようということです』
イデオスは、一同に対して、すっかり友達気分で話しかけてきた。
『おう、そうか。それはうれしいことだ。イデオス、遠慮せずに馳走になる。おう、皆、行こう』
一同は浜小屋に向かって歩みだした。