クリテスが静かな声で他人の耳をはばかるように話し始めた。
『先日の事です。父と私たち兄弟がパリヌルス隊長と話し合っている席で、今度、我々が移ろうとしている集落の事が話となりました。パリヌルス隊長から、そこで知り合いがいればなという話になったのです。そこでソリタンの存在が浮かび上がってきたのです。一番末の弟が、ソリタンに接触して、ソリタンをパリヌルス隊長と会わせることになったのです。事の成り行きはここから始まっています。この事情が知られないまま、あの集落でソリタンがアレテス隊長に捕えられたということになったのです。捕えられたソリタンは、この裏事情を知ってはいませんでした。知らないままソリタンは、アレテス隊長に、この浜へ連行されたというわけです』
『ほう、そういうことだったのか。パリヌルス隊長よろしいですか、彼を隊長に引き継ぎます。私はこれで座をはずしましょうか』
『いや、いい。アレテス、お前はここにいろ。この事情は明日の我々の行動に関する大事な一件なのだ』
『おう、ソリタン。こちらがパリヌルス隊長だ。隊長の尋ねられることに答えるのだ』
クリテスは言葉を継いだ。
『隊長、これで、私の知っているソリタンの件の説明を終わります。私は座をはずします』
『クリタス、はなはだご苦労であった。弟君に伝えてくれ。ソリタンの事については、この俺が責任を持つ、見の立つようにはかるとな』
『判りました。ソリタン、判ったな。パリヌルス隊長、私、軍団長のところにいます。用事がありましたら、何なりと申し付けてください』
終始、無言でいたソリタンが口を開いた。
『クリテスさん、ありがとう。パリヌルス隊長には詳しく話します』
言い終わってソリタンは、身体をアレテスのほうに向けた。
『先日の事です。父と私たち兄弟がパリヌルス隊長と話し合っている席で、今度、我々が移ろうとしている集落の事が話となりました。パリヌルス隊長から、そこで知り合いがいればなという話になったのです。そこでソリタンの存在が浮かび上がってきたのです。一番末の弟が、ソリタンに接触して、ソリタンをパリヌルス隊長と会わせることになったのです。事の成り行きはここから始まっています。この事情が知られないまま、あの集落でソリタンがアレテス隊長に捕えられたということになったのです。捕えられたソリタンは、この裏事情を知ってはいませんでした。知らないままソリタンは、アレテス隊長に、この浜へ連行されたというわけです』
『ほう、そういうことだったのか。パリヌルス隊長よろしいですか、彼を隊長に引き継ぎます。私はこれで座をはずしましょうか』
『いや、いい。アレテス、お前はここにいろ。この事情は明日の我々の行動に関する大事な一件なのだ』
『おう、ソリタン。こちらがパリヌルス隊長だ。隊長の尋ねられることに答えるのだ』
クリテスは言葉を継いだ。
『隊長、これで、私の知っているソリタンの件の説明を終わります。私は座をはずします』
『クリタス、はなはだご苦労であった。弟君に伝えてくれ。ソリタンの事については、この俺が責任を持つ、見の立つようにはかるとな』
『判りました。ソリタン、判ったな。パリヌルス隊長、私、軍団長のところにいます。用事がありましたら、何なりと申し付けてください』
終始、無言でいたソリタンが口を開いた。
『クリテスさん、ありがとう。パリヌルス隊長には詳しく話します』
言い終わってソリタンは、身体をアレテスのほうに向けた。