あわただしい中、妻であり、母であるクレウサとの別れの儀式を終えた。こののち、彼は、息子にうまく事の詳細を話すことが出来るかと迷いが残った。彼は、統領としてのアエネアスに戻った。
『アレテス、兵に言いつけて、土をかけてくれ。墓標の石は俺が載せる。』
彼は、アスカニウスを左腕に抱いて、アレテスに声をかけた。この期に及んで、感傷を振り捨てた。
『アレテス、いくぞ、急げ!』
『判りました。統領、出発の準備は整っています。統領のお父様の様子が、ちょっと、おかしいのですが。』
『何っ!俺が行こう。兵を一人連れて行く。』 アエネアスは、父のもとへ急いだ。
『アエネアスか。わしは、ここに残る。わしにかまわず、お前たちは、一時も早く、ここから脱出するのだ。建国に向かって、帆をはれ!行くのだ。トロイは落ちた。命ながらえる亡命は嫌だ。わしは、残る。早く行け!』
父アンキセスは、ごねた。
『アレテス、兵に言いつけて、土をかけてくれ。墓標の石は俺が載せる。』
彼は、アスカニウスを左腕に抱いて、アレテスに声をかけた。この期に及んで、感傷を振り捨てた。
『アレテス、いくぞ、急げ!』
『判りました。統領、出発の準備は整っています。統領のお父様の様子が、ちょっと、おかしいのですが。』
『何っ!俺が行こう。兵を一人連れて行く。』 アエネアスは、父のもとへ急いだ。
『アエネアスか。わしは、ここに残る。わしにかまわず、お前たちは、一時も早く、ここから脱出するのだ。建国に向かって、帆をはれ!行くのだ。トロイは落ちた。命ながらえる亡命は嫌だ。わしは、残る。早く行け!』
父アンキセスは、ごねた。